第一部 異世界よこんにちは
第一章 僕は死んだはずなのに
第二話 神様よこんにちは
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喚じゃよ。転生が気に入らなければ、そのまま応じれば良いではないかの?どこに通じておるかは分からんがのう。ふぉふぉっふぉ」
この老人に無理やり転生させられるのが嫌なら、召喚に応じろということか。これも、老人の仕込んだことなのかと勘繰ってしまうが、魔方陣が出現したときの反応を見る限りでは、予想外の出来事のはずだ。まだ、聞かなくてはいけない事は多々あるのは事実だろう。だけど。
「召喚に応じますよ。これ以上、掌の上で踊らされるのは趣味じゃないですから」
この、召喚に老人が関係していないのなら、召喚先が分からないという言葉が真実なら、これで老人との関係は終わるのだ。本来は、もう一度死を選びたいがそれを許すとは思えない。それなら、老人が何か仕込む前に、さっさと召喚されてしまいたい。
「ふぉふぉっふぉ。そうかの、そうかの。ならば“汝が求めに応じる”と唱えれば召喚されるからのう」
「汝が求めに応じる」
聞くが早いか、僕がそういった瞬間。魔方陣はより一層光を強め速度を上げていく。そして、青白い光に視界が遮られていくのと同時に、足元から身体が魔方陣に飲み込まれていく。特別、恐怖というものはないが、自分の身体が消えていくさまは不思議な感じがある。早々と飲み込まれた脚は感覚だけはあるというのに脚自体を認識できない。そして、残っていた感覚も薄れていく。それはまるで、捕食されていくような気分にさせられるのだ。
そして、ついに後は頭だけとなったとき、先ほどまで黙っていた老人の声が聞こえてきた。
「おぬしの身体は、これまでの身体ではないからのう。まずは慣らすようにの、いろいろと」
そんなことを老人が言ってくるということは、身体を作り直したというときに何かしらの細工を施したのだろう。それはつまり、何かを仕込まれる前に召喚に応じてしまおうという僕の計画は最初から破綻していた。ここでもやはり、僕には運がなのだ。
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