第十二幕その五
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「その時は楽しみにしていてね」
「わかりました、じゃあ」
「今度一緒に旅をしましょう」
「そうしましょうね」
「私もよ」
今度はベッツイが言ってきました、五人に。
「私とも今度旅をしましょうね」
「ベッツイさんともですか」
「一緒に」
「ええ、そうしましょう」
是非にというのです。
「その時はハンクも一緒よ」
「驢馬のですね」
「あの人とも」
「そうよ、一緒だからね」
だからだというのです。
「その時はお願いね」
「はい、それじゃあ」
「その時は」
こうしたことをお話してでした、そうしてです。
五人はベッツイ、トロットとも挨拶をしました。ベッツイはベッツイ=ボビンという自分のお名前も五人に言いました、綺麗な黄色の髪に黒い瞳と薔薇色の唇、白いお肌の女の子です。
トロットはブラウンの髪に青い瞳の愛らしい顔立ちの女の子です。背は四人の少女の中で一番小柄です。勿論二人も綺麗なドレスを着ています。
皆は謁見の間に移りました、するとそこに。
次々と人が入ってきました、その驢馬のハンクにつぎはぎ娘とガラスの猫にビーナ。それに木挽の馬とチクタク。
ムシノスケ博士の次にです、青いコートを着た頭がすっかり禿げてしまった淡い青の目の白いお髭の男の人も来ました、左足は義足になっています。
その人を見てです、トロットが五人に言いました。
「この人がね」
「そうですよね、キャプテン=ビルですね」
「船長さんですよね」
「そうよ、この人がね」
まさにというのです。
「私の一番のお友達の一人よ」
「やあ、ようこそ」
船長さんも笑顔で五人に挨拶をしてきました。
「君達に会えて光栄だよ」
「いえ、僕達の方こそ」
「船長さんにお会いできて光栄です」
「オズの国の名船長さんにお会い出来て」
「ははは、もう船長さんではないよ」
船長さんはこのことは笑って言うのでした。
「船には乗っていないからね」
「だからですか」
「船長さんじゃないんですか」
「そうだよ、今はね」
そうだというのです。
「わしはね」
「けれど船長さんってお呼びしてもいいですよね」
「この呼び方で」
「呼び方は何でもいいよ」
船長さんでも何でもというのです。
「とにかくこれからはわしとも友達になってくれるかな」
「はい、喜んで」
「お願いします」
五人は船長さんに笑顔で応えます、こうしてでした。
五人と船長さんもお友達になりました、この人の他にもです。
沢山の人達が来ます、グリンダも来ました。そして。
ガーゴイルの王様が来てです、こう言いました。
「来たよ」
「待ってたわ」
「やあ、ドロシー王女」
王様がドロシーに笑顔で応えます。
「暫くぶりだね」
「そうね、よく来てくれ
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