第二十五話 恋慕
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て拾う。
よく見ると紙切れは写真だったようだ。
写真には、エックスとルインが並び、中央にソニアが写っている。
ディザイア「写真ですか」
ルイン「うん。ケイン博士が撮ってくれたの、家族写真」
ルインは写真を見つめながら穏やかに告げた。
写真の中のルインは明るく微笑んでいる。
ディザイア「副隊長…」
ルイン「何?」
ディザイア「あなたは……その、エックス隊長のこと、お好きなんですか?」
ディザイアは思い切って、ストレートに聞いてみた。
ルインのようなタイプには遠回しに聞くよりもストレートに聞いた方がいいと判断したからだ。
ルイン「…う〜ん…エックスは私の憧れの人…かな…?」
ディザイア「憧れ…?」
ルイン「うん、ハンターになった時から…ね」
ルインの言葉の意味が分からないディザイアは首を傾げた。
ルインがエックスより後にハンターになったのは知っているが、当時のエックスはB級でルインは特A級。
ランクは当然彼女の方が格上で実力とて同じ。
ルインがエックスに憧れる要素など何処にも無いはずだ。
ルイン「エックスはね…心が強い人なの。どんなに苦しい時もどんなに悲しい時もどんなに悩んでいる時も最後の最後には必ず乗り越えてしまう人…私はそんなエックスに憧れてるんだ。異性として好きかどうかはまだ分かんないや、でもエックスと一緒にいれば不思議と安心出来て、幸せな気持ちになれるんだ」
ディザイア「(…それが“愛”という感情なんですよルインさん)」
ディザイアは、ルインとエックスを見ると互いが好意を抱いているのではないかと察していた。
この返答は予想していたものの、いざ本人の口から言われると、とても辛くて悲しかった。
内面の辛さを顔に出さないよう、あえて笑おうとする。
ディザイアの胸中など知らないルインは、照れた表情をしながら、写真に視線を戻した。
ディザイア「何となく…」
ルイン「え…?」
ディザイア「何となくあなたの気持ちが分かる気がします。私も同じですから…」
ルイン「君、好きな人がいるの?」
ルインは興味津々といった様子でディザイアに聞いてくる。
第17番精鋭部隊副隊長であり、特A級ハンターとはいえ、こういったところはやっぱり十代後半くらいの年頃の娘である。
ディザイア「あ…はい……」
彼なりに遠まわしに想いを伝えたつもりだったのだが、ルインには伝わらなかったようである。
ルインがディザイアを異性としてそういう対象として見ていないのだから、仕方のないことではあるが。
ルイン「ねえねえ、君が好きな人って誰?」
ルインが目を輝かせて、ディザイアの顔を見上げてくる。
ディザイア「そ、それは……」
こんなに近く
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