喜ぶべきか、悲しむべきか
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か片手に資料の束を抱えている。
あまりにみっともないところを見られて、否定の言葉も出てこない。
顔を赤くして、これは違うと否定のために付きだした手には齧りかけたのおにぎりだ。
アレスが目を丸くすると同時に、慌てて身体の後ろに戻した。
「その。あの、これは」
「食事中にごめん。ただ珍しかったから」
申し訳なさそうにさしだされたのは、器に入った味噌汁だ。
「あ。これは味噌汁と言いまして――大豆を発酵させて」
「ああ、うん。味噌汁は知っているよ。ただこの辺りで見かけないから、どこで売っているか聞いていい?」
頬をかいた様子に、シノブは納得した。
確かに古い日本の料理はあまり一般的ではない。
「あの外では売ってないので、これは自家製です」
「ああ、そう……自家製か」
少し残念そうな様子で、アレスは頭をかいた。
「あ。でも味噌汁を出している店もありますよ。凄く小さいですけど」
「ほんとに?」
身を乗り出して尋ねられて、シノブは慌てて首を縦に振った。
「ええ。もしよければ案内しましょうか?」
「ぜひ、お願いするよ」
即答の頷きに、シノブは困惑したように頷いた。
何でこんなに味噌汁を気にするのだろう。
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