青+赤=紫の嫉妬
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せをしている。
「す……ストップ! すとぉ〜っぷ!!」
ルーネスは一瞬見とれてしまったがすぐ我に返って声を掛け、二人の動きを止めた。
「何だい、ルーネス坊っちゃん! 今いいとこなのに水さすなよッ」
「全くだ……、今頃起きて来たお前に構っている暇は無い」
息ひとつ乱れていない二人に冷たくあしらわれても、ルーネスはめげずに云い返す。
「いっ、いいじゃんか別に……!? それとデッシュ、おれは坊っちゃんじゃないっての! アルクゥの方がそれっぽいだろっ」
「坊っちゃんは坊っちゃんだぜぇ? イングズ君とキミらが歳それ程変わらないようには見えないしなぁ?」
「そりゃアレだ、おれ達よりイングズは老けて見えるだけだろっ!」
「 な゛……ッ 」
少しショックを受けたのか、イングズは云い返せない。
「こらこら〜、言葉を選べ坊主! イングズ君はキミらと違って『大人びて』見えるのだよ!! その大人の魅力も解らないんじゃあ……、まだまだお子ちゃまだっつーのッ!」
デッシュは自然な動作で、イングズの肩に片腕を乗せる。
「お、おいっ! 近寄り過ぎだろ、離れろよデッシュ!」
「おやおやぁ、早速嫉妬か? 悔しかったらもっと早く色々成長するこったな〜ッ!」
からかうような笑みを浮かべるデッシュと、羽付き帽子の下で若干困った表情のイングズ。
「い……イングズの魅力くらい、おれだって分かるよ! 男のくせに、ムダに顔キレイだし……城の兵士で、強くていっつも冷静で、体付きとかおれと違ってムダにカッコ良すぎるし……!!」
「 る、ルーネス?? 」
「ほっほ〜、云えるじゃねぇ?」
「そ、それに! デッシュは自分の事よく男前とか云ってるけど、おれはあんたよりイングズの方が断然いい!! ────あっ」
「 …………… 」
ルーネスの思いきった言葉に、イングズは羽付き帽子の下で少し驚きの表情を浮かべている。
「おっほ〜! 素直に云えたじゃないか、お前ッ。ほらイングズよ、あぁまで云われてお前さんも何とか云ってやったらどうだッ?」
何故かけしかけるように、背中をバシッと叩いてルーネスに近寄らせるデッシュ。
「あ、いや、私は──── 」
「 …………… 」
ルーネスはきまりが悪そうに顔を横に逸らし、その頬はほんのり紅くなっている。
「 ────フ、可愛い奴だな、お前は」
「はぁ……?! ちょっ、なに人の頭に片手乗っけてんだよ! 子ども扱いすんなっ、しかもカワイイとか云うな! お、おれは……! イングズみたいにカッコ良くなりたいんだよっ」
羽
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