暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
29 3人の交差
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本体を引き出す。
そして電源ケーブルを引き抜いた。
するとその瞬間、サーバーに異常が起こったことを知らせるサイレンが鳴り響いた。

「マイナスドライバーか」

彩斗はスピーカーから耳に突き刺さるサイレンでも冷静さと集中力を失わずに作業を続けた。
サーバーと言っても基本的な構造は市販のPCと大差はない。
ハードディスク、CPU、メモリ、マザーボードなど駆動させているパーツはほぼ同等だ。
ただサーバーの場合、長時間駆動させ続ける必要があるため、多少排熱性に優れているなどの要件はある。
彩斗はマイナスドライバーで筐体を開くとCPUの発した熱が顔に当たる。
そしてSATAケーブルで繋がったHDDを取り外した。

「やった...ジョーカープログラムを...手に入れた...」

思いの外、呆気無くHDDは外れた。
そして不思議と達成感のようなものは感じなかった。
ディーラーがひた隠しにするプログラムが入っていると言われてもピンと来ない。
サイバー犯罪が増える理由もそこだ。
殺人や強盗と違ってネット犯罪はワンクリックという気軽な行為で完結するというものも少なくない。
その他、違法コピー、違法アップロード、ダウンロード。
全て自分はPCの前に座ってマウスを握ってプログラムの問いかけてくる質問に答え、必要があれば多少キーボードを叩けばいいだけ、つまり特に大した事を実行した気分にはならない。
罪悪感が無い。
それが大きな理由だった。

「よし」

彩斗はすぐさまHDDをバッグにしまうと、サーバールームのゲートへと戻った。
すると端の方のモニターに監視カメラ映像が映っていた。
約10名ちょっとの武装した男たちがこちらに向かっていた。
マシンガンを手に腰にはサバイバルナイフ、手榴弾など相手が電脳犯罪組織ではなく、武器商人だった事を思い出させる光景だった。

「チッ、思ったより早いじゃないか」

サーバールームのサイレンは予想外だった。
それに呼び寄せられるように連中が地下での異常に気づいてやってきた。
計画がズレた。
ここで更に気付かれぬようにこのまま上の階へと上り、メリーを救い出すつもりだった。
彩斗は静かに目を瞑った。

「...作戦変更」

起こった異常を考慮し、作戦で妥協できる点を探し、頭の中で描いていた作戦に修正を加える。
その異常に対処する方法は幾つか思いつくが、その中でもこの状況に一番適しているもの、作戦の趣旨に一番合うものをセレクトし、差し替え、矛盾が出ないように調節する。
ここで見つからないようにメリーのいる実験室に行くのは電波化して壁を通り抜けることの出来ない今では、まず不可能だ。
一瞬とは言っても目撃されるのは変わらない。
そんな状況でメリーを助けに行けば、自分もろとも
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