その19
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る。
味を見ているうちにふと思い立ちました。
サスケへの誕生日プレゼントは、このおはぎのレシピにしよう、と。
私がこのレシピからミコトさんの気持ちに気付いたように、いつかサスケもこのレシピからミコトさん達の気持ちに気付けば良い。
そう思いました。
それは凄く素敵な事で、そして、私はミコトさんから貰った物を、サスケにちゃんと渡さなくっちゃいけない使命感にも駆られました。
だって、これはミコトさんの、『うちは』の味です。
『うちは』じゃない私が知っていて、『うちは』のサスケが知らないとか、絶対おかしいです!
いつかちゃんとサスケにも覚えさせようと思います。
サスケは『うちは』で、ミコトさんの子供だから。
味見する限り、きちんと記憶の中のミコトさんの味に仕上がっていて、私の機嫌も上がります。
本当は、これから餡を一晩寝かせるのだけど、今回は時間が無いので端折ります。
バットにラップを引いて、餡を薄く引いて粗熱を取る。
もち米と粳米を合わせて炊いて半殺しにして。
餡子でくるんだら完成です!
時間を見れば、まだ、ぎりぎり今日です。
あと一時間程有ります。
間に合って、良かったけど。
でも確実にサスケは寝ているでしょう。
そんなサスケの下にこのおはぎを手に押し掛ける私。
一瞬、迷惑かもしれないと脳裏に不安が過ぎりました。
でも、別にサスケとは知らない仲でもないし、修行した後、一緒にご飯食べたりする仲でもあります。
だったらそんなに気を使う必要なんて無いですよね。
寝てたら叩き起こしましょう。
あっさり決断した私は、出来たおはぎを重箱に入れて、里外れにあるサスケの家に急ぎました。
サスケは今、うちはの家に程近いアパートで独り暮らししています。
それは私の所為でもある。
私が考え無しにとある変態を頼ってしまった所為でした。
まあ、最終的に修行の一環という事でサスケに納得してもらいましたが。
うちはの家解放に向けて、ありとあらゆる協力を惜しまないと確約もしましたし。
だから、それは別に構いません。
だけど。
これはちょっと、予想外でした。
「サスケ?」
ぼんやりと、サスケは独りで月を見上げてました。
アパートの、外で、うちはの家が立ち並ぶ方を眺めながら。
闇に溶け込みそうなその姿に、全身の毛が逆立ちました。
思わずサスケに声をかけた。
「サスケっ!!」
サスケらしくもなく、緩慢な仕草で私を振り向く。
何も見てない瞳で私を見て、サスケは私を呼びました。
「ナルトか」
感情が抜け落ちた声に、苛立ちと怒りと、そしてサスケに対する申し訳無さが込み上げて来た。
変な風に迷わなければ良かった。
サスケが考え込む時間も無いくら
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