その19
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レゼントあげる所だったのに!」
「あら、そんな所に居る方が悪いんでしょ?私もケーキとプレゼントあげるんだもの。でも貴女、プレゼントだけなのね。ふ〜ん?」
「何が言いたいのよ!」
「別に?気にしなくて良いわよ?対した事じゃあ!?」
「サスケ君!お誕生日おめでとう!これっ、プレゼント!!」
「サスケ君、これも!」
サスケ君サスケ君サスケ君。
入れ替わり立ち替わり、サスケの周りで時に小競り合いを交えながら、頭が痛くなるような黄色い声でサスケの名前が連呼されてます。
うん。
本当に、杞憂だったようです。
別に、私の気遣い、必要無かったみたいですね。
サスケは去年と同じく不機嫌そうに苛立っています。
去年と違う所と言えば、去年は纏付く女の子達と喧々囂々と元気に言い争いを繰り広げていた所でしょうか。
でも、今年は不機嫌そうにしながらもむっつりと押し黙っています。
これは成長、なのでしょうかね?
それとも少しは彼女達の気持ちを理解して嬉しいと思ったのでしょうか。
正直、私的には黄色い声が耳に痛いし煩いので鬱陶しいです。
誰か、黙らせてくれないですかね、あの色ボケ集団。
思わず半目でジト目になってました。
と、その時でした。
「煩い。黙れ」
酷く押し殺した怒りと憎悪を滲ませる低い声でサスケが唸りました。
「俺にまといつくな!関わって来るな!」
きっぱりと断言して周囲を睨み付け、サスケが彼女達を黙らせました。
良くやった、サスケ。
思わず感心して、内心拍手を捧げます。
その時、ばちり、と。
サスケを取り巻く集団の輪の外から、サスケとそれらを観察していた私とサスケの目が合いました。
サスケの瞳が不穏に煌めく。
「行くぞ、ナルト!」
私を見つけたサスケが、有無を言わせず断言して人垣を割って出てきました。
それをほけっと眺めていた私は、はっとなりました。
「う、うん」
咄嗟に同意して肩を怒らせたサスケの後ろに着きます。
恨みがましい視線が私の背中に刺さります。
ほんのちょっと良心が痛まない事もない。
だって彼女達は純粋に祝ってプレゼントをあげたかっただけでしょうし。
今日はサスケの誕生日だから。
気になる男の子に何かしてあげたくなるお年頃です。
浮かれ騒ぐ結果もむべなるかな。
ただし。
それが、サスケの気持ちを省みない非常に押し付けがましい物であるのも確かです。
周りの迷惑になっているのも事実です。
煩くて鬱陶しかったのも事実でした。
うん。
やっぱり罪悪感など、どこにも必要無いですね。
思い直した私は、彼女達をちらりと視界に入れて存在を意識から追い出しました。
恐らく、サスケはあそこか
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