暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO 桃風伝小話集
その19
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
あれから、1年経ちました。

いつ何が有ろうとも、変わらず日は沈み、日は昇り。
私達がそれに何を感じようと規則正しく繰り返し、今日という日を迎えてしまいました。

去年の今日は、楽しかった。
私はミコトさんに誘われて、ミコトさんと一緒に、うちはの家でごちそうを作りました。
それと、甘さ控えめの、その癖しっかりと味が付いた、絶妙な美味しさのおはぎを。

誕生日と言えば、白いクリームの上に苺が飾られた丸いケーキのイメージがあって、それにほんの少しだけ憧れめいた気持ちがなくもなかった私は、ミコトさんがうちはケーキじゃなくておはぎなのよと笑って言った時は、内心首を傾げて居たものです。

でもその戸惑いは、おはぎを目にしたサスケを見て、驚愕と共に深く納得したものです。
びっくりしました。

サスケは、嬉しそうに頬を染めて、自ら進んで箸をおはぎに運んでました。
甘いものは嫌いと公言していたのに、甘いものに箸を運ぶサスケというとても珍しい光景に、ついつい視線が釘付けになってしまったのも仕方無いと思います。

呆然と見詰める私にバツが悪くなったのか、不機嫌になったサスケに睨まれたのも、今となっては良い思い出です。
そして今。

私はミコトさんから貰ったとあるレシピを前に、難題に頭を抱えていました。

お米は、有ります。
小豆も、有ります。
ミコトさんが指定したお砂糖も手に入りましたし、隠し味のお塩も揃えてます。

レシピ貰って嬉しくて、ミコトさんに完璧と太鼓判押して貰えるまで作り続けた時期があったので、寸分違わずこの味を再現できる自信は有ります。

私が躊躇う理由はただ一つ。

サスケは。
祝われる事を望むでしょうか。

祝う事で、サスケの気持ちを逆撫でする事にはならないでしょうか。

今年は、去年とは違うから。

違うけど。
違うからこそ、変わらぬ物をサスケにあげたいと思うのはいけない事でしょうか。

それは、サスケを傷付ける事にはならないでしょうか。

迷って。
迷って。
迷って。
迷いながら。

私はそっと小豆を水に浸してから家を出ました。



去年と変わらず、今日も蒸し暑く良い天気の一日でした。

朝っぱらから頭を悩ませてくれた私の悩みは杞憂でした。

去年と同じく、アカデミーの授業を終えたサスケの周りには人垣が出来てます。
変わらない物は此処にも有りました。

「サスケく〜ん!お誕生日おめでとう!はい、これプレゼント!」
「サスケ君!これっ、お誕生日のプレゼント!よければ使ってくれたらうれし」
「ちょっとどいて!サスケ君!それよりこれ!お誕生日プレゼントにケーキ焼いてきたの。お誕生日おめでとう!」
「ちょっと何すんのよ!私がサスケ君にプ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ