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あげは
2部分:第二話
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頭に来る』という言葉のもとはこれであるらしい。梅毒の末期症状であり、梅毒が脳にまで達してしまった状態である。こうなるともう助かることはない。この時代では梅毒で死ぬ者も多かった。髪が抜け落ち、鼻が欠け、身体が腐っていくのだ。その前に全身に紅の発疹ができ、これが梅毒の語源となった。瘡蓋も出来るので瘡毒とも呼ばれた。江戸時代吉原ではこの病気はよく見られた。絢爛なこの夜の街の闇の部分であった。
 家の者にそんな話をしながら帰った。そしてその日は新しく夫婦となった婿入り先の妻と夜を過ごした。だがその心はまだ吉原にあった。


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