第90話 少年は力《闇》を手に入れるようです
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
0%が吹き飛んだわ。困った童じゃ。」
「………やはりと言う他ない。我輩の能力を使っても効果は無い様であるな。
では、我輩らしく行かせて貰おう!!」
松永が踏み込むと同時、その陰から風が吹き荒れ、ムルムルを一緒に切り裂く。
契約でしかない主従であるにも関わらず、地獄までついて来た"風魔"の小太郎。
しかし、地獄の伯爵はその二重の剣舞と爆撃を涼しい顔で受け切る。
「所詮元は人間じゃのう。どれだけ種族を変え、存在を変え、地位を与えられようとも……
"神"に創られた儂らとは、その限界に超えられん壁がある!!」
ガドゥン!
「ふ、ふ…!元天使風情に粋がられるとは、我ながら無様!!」
言いつつ、刹那に渡した愛刀"十束"の代わりに手に入れた魔刀"羅刹九星"を振るう。
地獄においても希少な魔"王"刀の一振りだが、今の松永ではその真価を発揮できない。
実力も、経験も、殺した数も桁違い。だと言うのに―――
「(―――何故こ奴は嗤っている?勝てるとでも思っておるのか?)」
5分と経たず500合を超えた打ち込みを悉く弾かれ、合間に反撃を貰い、既に半死同然。
幾ら狂人と言えども、死合が愉しいだけでこんなにも嗤えるものなのか・・・疑問が付き纏い、決定的な
攻撃をムルムルは出せずにいた。そしてそれこそが上位悪魔の失念をも織り込んだ松永の作戦。
「『二黒:召喚:セツナ・サクラザキ』!」
「また勝手に…!!『神鳴流退魔奥義 祓殿忌火』――」
ゴォウ!!
「人げ…!?「『朱雀丙丁』!!」
ゴァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ぐぬううううウぅう!?」
"羅刹九星"の能力の一つにより、南・・・つまりムルムルの真後ろに空間転移させられた刹那が
退魔奥義に方位の凶を乗せた浄化の炎で焼き尽くす。
大抵の悪魔・魔族ならば成仏すらし得る技であるが、そう易い相手ではない。
「バァァァァゥ!……見事!人と人より堕ちた身で儂に一矢報いた!よもや乗り物と儂も焼かれるとは。」
「あれで倒せませんか……流石に驚きです。対悪魔用に改良したのですが。」
「はっはっは、これは参った。我輩も少々本気を出さなくてはいけないようだ。」
炎を弾いたムルムルに驚いた刹那だったが、更に続けた松永に二人が眼を見開く。
遊ばれているに過ぎないと思った格上の伯爵悪魔相手に本気を出していなかった事と、それを相手に
"少々"本気を出せば十分と取れる言質を取った事も。
「ほう……?愉快な事を言うものだ。では折角だから見せて貰おうかな、元人間よ。」
「え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ