第90話 少年は力《闇》を手に入れるようです
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『光皇』による神速の刀背打ちで呆気無く
賞金稼ぎは全滅し、後ろに控えていた数匹の砂蟲もいつの間にか細切れになっていた。
"剣の塔"と各地での戦闘、松永との手合せで、刹那の強さは既に大戦期の詠春に迫っている。
殊勝な刹那にはその自負があり、油断も無かった。―――以前までは。
ドジャァッ!!
「くぅっ…!?」
「ほぉぉウ、脆弱な護法を使ってイると思ったが鋭い。朕の奇襲ニ反応出来るとは。」
「こ、子供の魔族……!?」
数キロ先から突撃を仕掛けて来た魔族に容易く魔刀二本の障壁を切り裂かれ、その爪撃を寸手で受ける。
速度も気配の消し方も松永と同等だったが、それに反応するだけに留まったのは、各地での戦闘のせいだ。
手合せ以外で刹那が生命の危機を感じる事が無かった為、平時の戦いは自分の脅威足り得ないと精神に
刻まれてしまった。・・・それ故、強者との戦闘では真価を発揮する。
「魔族ぅ?いや、真気に食わぬ事ダが朕はクォーターぞ。影族と竜人と悪魔の、な。
地獄では貴族であったが、落ちぶレてのう!今は傭兵なぞに身を窶しているのだ。」
「成程……通りでいつも一緒にいるアレと同じ気配がすると思いました……。」
「その"アレ"のう。今頃どうなっている事やら。」
「なに……!?」
………
……
…
「これは"憤怒"の所の魔軍師団長。最近見ぬと思うたが人間界におったとは。」
「おやおや、そういう貴殿はムルムル公。大公爵が人間界にどのような用件であるかな?」
今か今かと敵を待っていた松永の所に現れたのは、松永よりも遥かに上位の悪魔。
鷲に乗った騎士甲冑だけを見入れば中世の騎士と見紛う姿だが、その実は地獄の伯爵、ソロモン72柱。
序列54位の"ささやき"ムルムル。その後ろには、率いている30の軍団の一部が控えている。
それを見て松永は嗤っているが、後ろのまき絵と和美は既に気絶済みだ。
「用件、ふぅむ……強いて言うならば儂の眷属に席をそろそろ与えてやろうかと思うての。
どうせならば成り上がりの一番気に食わぬ小僧めが一泡吹けば良いと考えた訳じゃ。」
「はっはっは、手厳しいですなぁ。どうせならば信長公を倒して頂ければ我輩が成り上がれたのだがね。
全く、地獄の者はどうして。全員が全員"強欲"足り得る―――浅慮な輩よ!!」
ドォン! ボォン! ドガンドガァァン!!
瞬間、地殻を底まで破壊出来よう爆撃が連続してムルムルと軍団を襲った。
"天我爆散"の名を受けた松永の固有技能は『天地灰燼』。任意の場所を、自分を殺せるだけの威力で
爆破する能力だが―――
「いきなり酷いではないか、儂の全軍の2
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