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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第130話 蜂蜜姫は考える
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万ともいわれる大軍を保有する軍閥の頭目。そして、黄巾の乱では華北で武名を轟かせた人物でもある。そんな人物を真正面から敵に回す度胸が劉表にあると思いません。彼女は勝てる戦でも石橋を叩いてわたる人物です。そこが彼女の長所でもある。独立気質の強い豪族達がひしめく荊州を曲がりなりにも治めているのはその慎重さがあるからです。それに南陽郡に侵攻する名分がありません。だからこそ蔡瑁は郡境でコソコソと彷徨いているんです」

 七乃は三人の先生のように自論を分かりやすく説明した。三人は七乃の博識振りに驚いている様子だった。普段は「美羽様命」の変態のように思われている彼女だが無能という訳ではない。特に悪知恵を考える時の彼女の頭脳は冴え渡る。

「しかし、七乃。計画が失敗し事実が劉表と孫堅に露見したら、流石の劉表も重い腰をあげるのではないか?」

 美羽は七乃の話を聞き気になる点を質問した。

「その可能性は否定できません。でも、孫堅はともかく、劉表は腰が重いと思います。精々、蔡瑁が出張る程度、劉表自らが指揮を取るとは思えません」
「劉表が表立って出てこない理由は、もしもの時は蔡瑁を捨て石にするためですか?」

 七乃の説明で足らない部分を確認するように明命が質問した。

「ええ。劉表はできるなら穏便に済まそうと思うはず。孫堅は過去の行動から考えて美羽様を亡き者にしようと手段を選ばず攻撃してくるでしょうね。でも、意外に孫堅は全てを承知の上で美羽様の命に従うかもしれませんよ。例え相手が自分のことを捨て石にするつもりであると分かっていても、それを利用してのし上がろうとするのが孫堅だと思います」

 美羽は七乃の話を聞き、瞑目して黙考した。その様子を見て、その場にいる三人も会話を辞め、美羽が話はじめるのを黙って待っていた。

「七乃、ことがことゆえ、他の者も交えてもう一度話し合おうと思う。明命と亜莎もどうじゃ」
「それがよろしいと思います」

 七乃は頷いた。

「南陽郡に正宗様が来られた時にご相談してはどうでしょうか?」
「兄様にか?」
「正宗様も美羽様が頼られることは嬉しいと思います」
「そうじゃの」

 明命の提案に美羽は少し考えていたが頷いた。
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