第130話 蜂蜜姫は考える
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なしに劉表を襲撃して潰し合ってくれると思うんですよ」
「あの。七乃さん、話の腰を折って申し訳ないのですが質問いいでしょうか?」
「何です?」
七乃は亜莎の問いかけに質問を言うように促す。
「荊州刺史と前南陽太守を殺して孫堅の立場は凄く不味い状況じゃないですか?」
「そうですよ。中央が不安定な状況でなく、ここが辺境でなければ孫堅は逆賊として討伐されていてもおかしくないでしょうね。それを一番理解しているのは孫堅自身と思います。孫堅はつけ込み所満載なんです」
「七乃。お前が孫堅と劉表が手を組む心配はないと言いきる理由はそこにあるのか?」
美羽が七乃にたずねると七乃は意地の悪そうな笑みを浮かべ頷いた。
「劉表の性格からして名士と言うには憚れる孫堅と共闘はありえんのじゃ」
美羽は七乃の態度を見ると考え込みながら呟いた。
「美羽様は正宗様にお願いして、征南将軍の官職を得るべきです。そうすれば揚州、荊州で軍事行動を行なう名分を得ることができます。劉表も何もいえません。孫堅も黙って待っていれば美羽様に近寄ってくると思います。美羽様がいつ孫堅の過去の件を持ち出して賊として攻撃してこないとも限りませんから」
七乃は話を止め、三人の様子を確認した後、話を再開した。
「孫堅には恭順の印に劉表の勢力下である江夏郡でも襲撃させればいいと思います。後は劉表と孫堅が勝手に殺し合うというわけです」
七乃の話を聞く三人は真剣な表情になる。美羽の難敵となりえるのは劉表。これに孫堅が加わると両面作戦となり美羽陣営は戦力的にも経済的にも疲弊は避けられない。仮に勝利できても、その後の荊州を治めきる余力が残っているか疑問が残る。できることなら両者が潰し合ってくれるに越したことはないのだ。
「美羽様、七乃さんの策は実現性はあります。孫堅を亡き者にできなくても、孫堅と劉表が潰し合ってくれれば私達にとって漁夫の利を得る機会があると思います」
亜莎は自らの両拳を握り締め七乃の提案した策を賛成した。
「亜莎の言う通りですけど、現状だと劉表と孫堅が通じる可能性が高いと思います。表向きは無理でも両者互いに示し合わせて行動することで南陽郡に侵攻する可能性があります。両者の目的は合致していますし両者が組む可能性が無いとは限らないと思います」
明命は七乃の案に懸念を抱いている様子だった。
「明命の言うことも最もですけど、劉表は絶対に南陽郡に侵攻しないと思いますよ。用心深くて優柔不断な彼女では無理です」
七乃は明命の考えを否定した。
「何故、そうまで言いきれるのです」
明命は七乃の考えに納得がいかない様子だった。
「美羽様を攻撃するということは正宗様を敵に回すということです。正宗様は冀州で三十
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