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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第130話 蜂蜜姫は考える
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て聞いていた。最後には表情から悩みが消え元気に満ちた表情を渚と七乃に返していた。その表情に渚は満足げに、七乃は悦に浸っていた。

「わかった。渚、兄様に頼るのじゃ! そうときまれば兄様を歓待する仕度をしなければならぬな。何がよいかの。流石に日頃妾達が食しておる粟の粥は食べさせられぬよな?」

 美羽は渚の表情を期待に膨らむ表情で見つめる。美羽は納得して粗食に耐えていたが、彼女も育ち盛りなだけに久方ぶりに美味しい食べ物も食べたいと思ったのだろう。

「お任せください。主君に恥を欠かせるような饗応などできません」
「誠かや!? 誠なのじゃな? 誠じゃぞ?」

 美羽は渚にしつこく三度確認した。彼女は日頃どのようなモノを食べていたのだろうか。

「美羽様、二言はございません。当日は部下に命じて狩りに向わせましょう」
「やったのじゃ!」

 美羽は年相応の笑みを渚に返し、嬉しそうに蜂蜜水を少しずつ飲んでいた。その様子に陶酔する者は言わずもがな美羽専属侍女の七乃だった。



「美羽様、ご機嫌でございますね」
「本当です。いつもは元気のない表情でお腹を空かせてらっしゃいますのに」

 美羽と渚の会話が一段落ついた頃、明命(周泰)と亜莎(呂蒙)が美羽の執務室に入ってきた。二人はそれぞれ美羽の親衛隊隊長、親衛隊副隊長を任されていた。また、南陽郡の郡都「襄陽」の治安維持も彼女達の管轄であった。襄陽の治安維持に携わる人員の不足は慢性的だった。これは美羽の進める商業振興により日に日に人と物の流入が激しくなったことが大きい。人が増えればよからぬことを考える者も増える。結果、治安維持に割く人材も人口増加に比例して増やす必要に迫られた。しかし、ただ人材を増やせばいいものでなく、質と量を両立させ増やすという難題に美羽達は迫られていた。そこに天の助けの如く美羽達の前に助け舟が舞い降りた。冥琳の叔母・周欣(しゅうきん)は揚州丹陽郡大守で、彼女は冥琳の頼みで募兵した丹陽兵四千、彼女が信のおける者達の縁者から集めた二千、合わせて六千を彼女の妹・周昂に預け美羽の元に送りこんだのだった。

「明命、亜莎。よいところにきたのじゃ。実はのう。兄様がこの南陽にこられることになったのじゃ」
「正宗様がですか!?」

 明命と亜莎は二人揃えて驚いた表情で同じことを美羽に聞いた。

「そうじゃ。それに兄様が到着された日の夕餉はご馳走じゃぞ! 二人とも楽しみにしておれ」

 美羽は嬉しそうに親指を立て明命と亜莎に元気一杯に微笑む。

「ええ!」
「本当ですか!」

 明命と亜莎は驚き美羽に駆け寄ると、美羽も二人に駆け寄っていった。

「誠じゃ! 今から楽しみで堪らないのじゃ」

 三人は自分達だけの世界に入りこみ食べ物の話に盛り上がっ
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