”狩人”フリアグネ編
十四章 「決戦」
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の手は、
「自爆だ―――シャナっ!」
咄嗟にシャナに叫ぶ。
―――今です! フリアグネ様!
莫耶は駄目だ、抜く時間がない。干将で――。
干将を拾い、投げようとするが、
駄目だ、間に合わない―――っ。
俺が投擲するよりも速くマネキンの背中から、いつか見た人形が飛び出す。
――うウぅあああぁアアァあッ!!
奇声を上げてフリアグネはベルを鳴らす。
贄殿遮那からぶら下がり、ブランコの様に両足でマネキンを蹴るシャナ。
だが、シャナの決死の脱出もほんの数瞬、間に合わなかった
――――空気が、いや空間が震えた。
今までの爆風の比でない爆発がシャナを襲う。その爆風の余波は、こちらにも容赦なく叩き付けてきた。
突き刺した莫耶を掴み耐える。投擲しようとした干将を捨て、両手で莫耶を握り込む。だが、耐えきるのは無理だった。
しばらく耐えてくれていた莫耶も爆風でビルから抜けてしまい、共に飛ばされる。
「―――っ」
気付けば俺は、大量のマネキンの残骸と共にフリアグネを対極としたビルの橋まで飛ばされてしまっていた。
危ない所だ。莫耶を掴んでいなければ、おそらくビルから落ちていただろう。
受け身も取れなかったが、形振りを構わず顔を上げる。
フリアグネの背後、つまりはビルの外に人形の抜け殻のマネキンが飛ばされていく。そしてそれは音も無く奈落とも感じる闇に深く落ちていった。
――腹部に贄殿遮那が突き刺さったままの姿で。
そのマネキンの様を、ぐしゃぐしゃの顔で見送るフリアグネ。
――――マリアンヌ、君は最期まで僕の事を。
そう、人形の狙いは最初からこれだったのだ。
武器封じを基本戦略としていたフリアグネ一派。その本人を除く最後の一体の取った戦略も、また武器封じだった。
あの人形の自爆はシャナを仕留めるものではなく、マネキンを――贄殿遮那を
ビル外に排除するものだったのだ。
それは、俺がバブルルートに取った戦術と全く同じもの。
恐らく、人形が飛び出しシャナの眼前に迫った時、コントロールを失った抜け殻のマネキンの拘束は弱まった筈だ。
シャナは、武器をいったん手放してでも脱出を仕様としただろう。引き抜くよりも先に手を離した方が早いからな。
だが、それが人形の狙いだった。あの爆発はシャナへの攻撃ではなく、マネキンをビル外に飛ばす為の推進力だったのだ。
俺達はまんまとそれにやられた訳だ。
――あぁ、そうともマリアンヌ。これはほんの少しの別れだ。すぐにまた逢えるさ。
爆炎が弱まり人影の姿がうっすらと見えてくる。言うまでもない、シャナの姿だ。ゆっくりと、力弱い動きではあるが立ち上がるシャナ。
だが、その姿はすぐに前方に現れたフリアグネに隠れてしまう。
俺とシャ
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