”狩人”フリアグネ編
十四章 「決戦」
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一番恐ろしい。
それは、フリアグネも分かっているらしく通常の爆破攻撃とは別に、奴は一定のペースでベルを鳴らし続けている。
おそらくベルを鳴らしただけでは起爆にはならないのだろう。じゃないとあんなベルを持ってろくに回避行動も取れない。
ベルの音で聞きわけることも出来ない為、その殆どが爆発しない音なのだが鳴る度に回避行動を取らされてしまう。
しかも、起爆の音は周期的ではなく完全にランダム。こちらを戦術的に攻撃出来ない代わりに、テレフォンパンチたるベルの音自体を武器にしているのだ。
加えて、爆弾燐子は起爆の音がなっても爆発までに若干の個体差がある。
個体差の起爆までのタイムラグ。それをカバーする為にランダム周期の起爆音を一定ペースのダミー音に混ぜているのか。
不利になる使用制限を見事、有利な材料に一転させるとは。
本当に戦上手な奴だ、厄介過ぎるほどに。
あの音が鳴る度に心臓が、いやミステスの俺にとっては存在の残り火が嫌な音を立ててしまう。
体に悪いぜ、全く。
とはいえ、音だけに注意を向けきっている訳にもいかない。
フリアグネにはアレがあるしな。
奴がアレを使う瞬間を逃したら、最悪、俺達の負けが決まるかもしれない。
――やるじゃないか、おちびちゃん。流石に接近戦では僕達でも分が悪い。まずはその武器を封じるとしようか!
剣激と爆音の中で、なお通るフリアグネの声。
「来た――っ!」
わざわざ、姿を見なくとも奴がしようとしていることは分かる。
フリアグネの言う通り、接近戦ではシャナに圧倒的に分があるだろう。
当たり前の事だが、接近戦では得物のリーチが長い方が有利だ。即ち、何物おも両断するあの大太刀を持ったシャナは、クロスレンジでの戦闘において圧倒的なリーチを誇っている。
シャナの瞬発力も合わせれば、なおの事だろう。確実に大太刀の実寸以上の攻撃範囲がある。
接近戦ではかの騎士王に匹敵する筈だ。シャナの領域では勝つことは出来ないだろう。
となると、シャナに勝とうとするなら方法は二つある。リーチでの不利を覆す技量による正面勝負か、シャナの有効攻撃範囲外……即ちミドルレンジ以遠からの攻撃しかない。
シャナに対して、リーチの不利を覆す技量を持ち合わしている奴など、そうはいないだろう。
フリアグネはどう見ても近接戦闘タイプのスタイルではないし、俺だって正面からぶつかってシャナに勝てるとは思えないしな。
ミドルレンジから攻撃をしようにも、この屋上ではそうそう距離を取ることなど出来ない。
大太刀のリーチとシャナの瞬発力を持ってすれば、この屋上のほぼ全域が彼女の有効攻撃範囲になってしまう。
だが、それはそう難しい問題ではないのだ。
シャナの攻撃範囲から逃れられないのなら、彼女のリーチ
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