暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十四章 「決戦」
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太刀の利点をフルに使い切ったあの戦い方と、あの剣技。俺だってシャナの有効攻撃範囲には近付きたくないしな。
 それに、俺の剣技がシャナ以下である事も確かだ。サーヴァントじみたあの身体能力も、一介の魔術師である俺にはない。
 アーチャーの奴でも、あれ程の身体能力はないだろう。剣技ならともかくとして、シャナの身体能力はセイバーに匹敵するものがあるからな。
 俺にしてもアーチャーにしても、ただの魔術師のオレ達では絶対的に筋力が不足している。
 そんな事はオレ達自身がよく理解している事だ。今更、マネキン共にやって見せられて悔しくともなんともない。
 なら、やる事は簡単だ。俺はオレ達の戦い方で戦うのみ。例え剣技、身体能力で劣っていようと戦い方がある事を見せてやるだけだ。
 鞘の加護がない今、負傷がそのまま命取りにつながる。なら、やられる前に全力を持って敵を叩き潰す。
 さっきも言った通り、出し惜しみをする必要もないしな。
「わざわざ寄って来なくても、こっちからいってやるよ」
 意思が有るのか、俺の言葉を聞いているのかも分からないが挑発と牽制を込めて言い放つ。
「行くぞ――――っ!」
 強化された身体と夫婦剣を振るい、俺の最後の戦いが始まった。



  ◇



――あっちも始まったか。
 フリアグネとシャナの交戦開始が、爆音となってこちらに伝わってきている。
 既に交戦開始から十近くの敵を撃ち倒しているが、まだ負傷はない。
 出し惜しみなしの全力勝負、夫婦剣の完成度にはある程度の自信はあるが、折れれば直ぐに精製するつもりだ。
 魔術の秘匿など考慮する余裕はない。目の前の敵を殲滅したら即座にシャナの加勢に向かうつもりだ。
 シャナとの戦闘の影響もあるのか、今のところマネキン共はそう頻繁に爆発していない。
 それにマネキンを爆破する際には必ずあのハンドベルの音が響くんだ。爆発までに若干のタイムラグがあるから、そうそう巻き込まれる事もない。
 一拍おいて爆発する性質上、あのベルは初見以外での奇襲には使えない。今から爆破するぞ、とわざわざ音で知らせてくれるんだから、完全なテレフォンパンチだ。
 その上フリアグネの奴、存外にも苦戦しているらしくこっちに意識を向ける余裕もないのだろう。
 狙い澄ましたようなマネキンの配置からの連鎖爆発が一度もない。
 油断をしている訳じゃないが、こんな戦術的な意味のない爆破攻撃にやられるつもりもない。
 とはいえ、シャナの真似で爆発する前にバラバラにしてやっているが、これまでの散発的な爆発ならともかくとして、いつ連鎖爆破させるのかは分からない以上、短期決戦で一気にカタを付ける方が良い事は明白だ。
 連鎖的な爆発となるとベルの音が爆音で掻き消されるからな。
 ベルの音が聞こえない状況が
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