”狩人”フリアグネ編
十四章 「決戦」
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なっていない筈のそれは、やけにハッキリとまるで脳に直接吹き込まれているかのように聞こえた気がする。
生物としての本能が、逃げろと警鐘を鳴らす。
しかし身体の反応が、あまりの恐怖に動こうとしない。
だが何より、正義の味方を気取る衛宮士郎としての意志が、警鐘を恐怖を上回る。
「封絶だ、音を止めろ!」
そう叫び、莫耶を投擲。
無論、フリアグネではなくシャナへ向けた言葉だ。満身創痍にムチを打つ訳ではないが、今は一刻を争う。
――頼む、ダメージから立ち直って俺の頼みを聞いてくれ。俺では奴を倒せない。正面からでは駄目なんだ。
しかし、俺の投擲と同時にベルが再び鳴り響く。が、その音に鼓動を変えられる違和感はない。
おかしい。都喰らいの仕込みの音色じゃない。さっきまで燐子を爆破していたほうの音だ。
何のつもりだ。もう燐子は残っていない。今更、そっちの音でごまかそうってたって騙されるほど馬鹿じゃない。
燐子の残骸しかないってのに、何をするつもりだ。
その俺の疑問は、数瞬して答えを得る。
まさか、残骸も爆発するんじゃ――――ッ。
だが俺の思考がその結論に辿り着くと同時に、周囲は轟音と爆炎に包まれた。
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