”狩人”フリアグネ編
十四章 「決戦」
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る。
戦場を吹き荒れる一迅の風、形容するならばそう言えるのではないだろうか。敵に組み付かれるより、爆発されるよりも前に敵を斬り飛ばす。
広いとはいえ、所詮はただの屋上遊園地の跡地だ。
細長い陣形を取られる路地裏よりは、終わりが見えやすい分、遥かに気がラクになる。建築物の構造を考えると、そうそう爆破も出来ないだろうしな。
なにせ、自爆攻撃だと自分の足場すら破壊しかねないのだ。敵に対するプレッシャーを与えるには高所が一番。足場を崩せば敵と対等な立ち位置になってしまう。
しかし、シャナにばかり敵の相手をさせる訳にはいかないな。シャナには外堀を埋める作業より、本丸を落とす方が似合っている。
なにより、安全な場所から高みの見物、なんてのは俺の性に合わない。
身体能力は既に強化済みだ、戦闘準備など既に出来ている。
「よし――っ!」
シャナという台風の暴風域に自ら飛び込む。邪魔なマネキン人形は斬り飛ばしてやった。
両手の夫婦剣は、飾りでも護身用でもないのだ。フリアグネがこの街を、好き放題しようとするなら全力で止めてやる。どうせこれが最終決戦だ。出し惜しみをする必要もないだろう。
暴風の中心、シャナの元へ辿り着く。さながら台風の目の様にシャナを中心とした空間がポッカリと開いていた。
おびただしいマネキンの残骸の山で、彼女は大太刀を構えている。
「なかなかやるじゃない。でもそこに居ると危ないわよ?」
笑いながら俺に言うシャナ。その笑いは敵を撃ち倒した恍惚からではないことは明白であった。
むしろ、俺がここまで来たことを喜んでいるのか。そんな風にも感じさせる。
「――言ってろ。そんな事よりシャナ、マネキンの相手は俺に任せてろ。その代わりフリアグネを頼む。ザコの相手は下っ端の仕事だからな」
全周囲を警戒するシャナと背中合わせに立つ。長剣一刀流と短剣二刀流、戦闘スタイルは攻撃主体と防戦主体。こうも対照的だとは考えた事もなかったが、なかなかどうして画になるんじゃないか?
「確かに、このままじゃ埒が明かないわね。良いわよ、お前の案を採用するわ。ただし、私がフリアグネを倒すまで生きていること、それが条件よ」
背中越しにシャナの意志を感じる。フリアグネを倒すまで生き残れ、それは当たり前の話だ。シャナはフリアグネから俺を守る為、そして都喰らいの阻止に来たのだから。防衛対象がやられてしまっては、例えシャナが都喰らいを阻止しようとフリアグネに負けた事になる。
それをシャナが許す筈がない。
「良いぜ。その代わり、もし俺が生き残っていたら俺の頼みを一つ聞くってのが条件だぞ」
いたずらっぽく言ってやる。実はこんな条件でなくとも、この戦いが終わればシャナに頼みごとをするだったんだ。反故にされるのもアレだし、条件付きで勝負形式にす
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