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聖女
第二章
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ど美女はそのどれとも両立しないものだ」
「そうなんですか」
「美味しいものを食べながら美味しいお酒は飲めるね」
「ええ、それは」
 これにはミショネも頷くことができた。
「そうですね。というかどちらかだけでは寂しいです」
「けれどベッドの中でそれができるかどうか」
 ジョバンニの言葉は少し淫靡なものにもなっていた。
「美女はその一つだけで充分ということさ」
「そういうことですか」
「わかったら今は美酒と美食に専念しよう」
 こう弟子に告げる。
「そこから何かのヒントを得る為にも」
「わかりました。それじゃあ」
「さてと。それではだ」
 話が一段落ついたところでまずはその辺りにある席に座った。男二人で向かい合ってだが今はそんなことはどうでもよかった。
「夕食も兼ねてだから」
「食べる方も頑張るんですね」
「パスタにするか」
 まずはこれであった。
「それを頼んで次は」
「サラダはこれなんかどうですか?」
 ミショネが師匠が開いたメニューを覗いてそこのうちの一つを指差した。
「この何か日本風のサラダ」
「ああ、海草サラダか」
「ええ、それです」
 ミショネは言う。
「それと野菜料理で」
「魚はカルパッチョでね」
「鰻じゃ駄目ですか?」 
 ミショネが今度言うのは鰻料理だった。
「今度はスペイン風で」
「スペイン風か。それもいいか」
「スペインで別にいいですよね」
「構わないさ。日本でもスペインでもな」
 この二国については構わないといった感じのジョバンニだった。

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