第三話 四
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が生きていた頃に三人で共闘した時に使ったあの技だ。
ナナシはそれがすぐさま分かると、射線上に居ないようにジクザクで動きながら彼女に近づく。
彼女は力を溜め終わると、電撃を右腕から放った。
バチンっという、大きな音を奏でて、電撃が一直線に飛ぶ。
ナナシは電撃の進路から身体を外し、直撃を回避した。
彼は結月の間合いに入ると、前足左右のブレードで切りかかる。
しかし、彼が切りかかるよりも先に、彼女の左腕にある大きな爪が振り下ろされ、ナナシはなし崩し的にブレードで防御をするしか無くなった。
そんな彼に結月は右腕の刃で再び攻撃する。
ナナシは尻尾を使い、何とか防ぐ。
「ぐっ!」
ナナシは突如自分の胸に痛みが生じ、呻いた。
彼は自分の胸を見ると、そこに幾本もの鋭利な鋭い骨が刺さっており、刺さった場所から血を流していた。
相手のその骨をたどると、胸の場所にある肋骨を使い、自分を攻撃してきたっというのが分かる。
ナナシはまだ自由の効く左前足のブレードを使い肋骨を切り裂いて、更にもう一度振り、右腕も切る。
右腕は切り落とす事は出来なかったが、結月は痛みで尻尾の刃と鍔競り合いをやっていた右腕をようやく下げた。
「グアアァァァァ!!」
右腕は下げる事が出来たが、左腕の大爪は以前彼をそのまま引き裂こうと押し込んでくる。
右前足一本では不利だ。
「グルァァァァァ!!」
ナナシはすかさず、解放された尻尾で彼女の胸を貫くと、力を入れて持ち上げる。
結月は突然身体が浮いた事で、一瞬だけ大爪に込める力を緩めてしまう。
ナナシはその気を逃さず、一度彼女を地面に叩きつけると大爪から滑るように右前足のブレードを走らせ、顔を切りつけた。
「ギャァァァァ!!」
顔を切り裂かれ、痛みで結月は慟哭する。
それにより、結月は身体を振り回して暴れまわる。
左の大爪、右の刃のデタラメな攻撃を次々と回避し、再びナナシは突撃。
大きく尻尾を真横に振って、大爪を切り落とそうとした。
だが……
「!?」
ガシッと尻尾を受け止められると、いきなり結月が今まで閉じていた口を大きく開く。
その凶悪な牙がまるでサメのように並んでいる口から、何やら光みたいなものが見え始め、ナナシは危険を感じて尻尾を引っ込めてすぐ右へ飛んだ。
電撃特有の、何かが弾けたような音が鳴り響き、ナナシが居た場所に、大きな空洞を作り上げる。
どうやら、右腕だけじゃなく、口からも電撃を発射できるみたいだ。
ナナシは結月の顔の動きに注意しつつ、つかず離れずの距離で彼女の周りを回りながら警戒する。
飛びかかろうと思えばすぐに出来る。しかし、相手が電撃を操っている以上、もしかしたら身体全身に電
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