第三話 四
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達『適合者』の成れの果てが、恐らく特殊なデセスポワールだという事だ。
今まで特殊な弾薬が効かず、大きな能力を秘めた特殊デセスポワール達。
以前、彼は天羅にデセスポワールの弱点である彼らの死体から作れられた特殊弾が効かない理由を「死んでるからだろう、細胞が。弱い同族ならそれでも充分死ぬだろうが、今戦っている奴らには効かんぞ」っと答えたがどうやらその説明は間違っていた。いや、間違っていないのだろうが、この特殊デセスポワールだったらもう一つ特殊弾が効かなかった仮説が建てられる。
それは、特殊なデセスポワール達には元だった人間の細胞が含まれているから。
一度変異を起こした結月を助ける為に、変異を食い止める為に特殊弾を彼女に撃った。
その時、彼女はデセスポワールになりかけているにも関わらず、死ぬ事が無かったからだ。
特殊弾は人間に撃っても死なない。
恐らく、特殊なデセスポワール達はその人間の細胞があったから、特殊弾が効かなかったのだろう。
「……もしそうならば、俺は結月を喰らうしかないだろう。俺とアリスの関係の謎に、俺の記憶がその謎を解く鍵となるのならば」
「う、うぅん……」
彼が独り言を呟いた時、アリスが苦しそうに呻いて身じろぎをした。きっと、悪夢を見ているのだろう。
それも、二人に関わるような。
ナナシはアリスを寝かせたままにしておくと、自分は家を出る為玄関へ行く。
そして、再び彼は外の世界へ出た。
数分後。
ナナシは健吾と結月が戦っているあの場所へと戻った。
壮絶な戦いを繰り広げていたのか、コンビニエンスストアだった建物は崩壊しており、所々地面が抉れている場所がある。
暗闇の中、一人だけ誰かが立っており、ナナシは近づいた。
「お前は…… 結月か?」
彼が問いかけた瞬間、何かが目の前から飛び出してきて、ナナシはすぐに横へ回避して避ける。
見ると、それは健吾だった…… ものの頭部だった。
健吾の頭を投げつけた後、ゆっくりと結月が姿を現す。
結月だったそれは、既にほとんど人間の身体からかけ離れた姿になっていた。
左腕は結月が変異した時に現れた大爪、右腕はどうやら健吾を喰らったのか、それとも部位を引きちぎって自分の腕としてくっつけたのか、彼だった剣状の右腕だった。
頭部はほとんど裂けており、大きな牙が更に剥き出しになっている。
背中には禍々しい血管で脈打っている、変異したてなのか、翼みたいな形状のものが生えていた。
「グルルルルル……」
「一瞬で片をつけよう、それが俺からのせめてもの弔いだ」
「アァァァァ!!」
結月は彼が戦う覚悟を見せると、叫びながら即座に彼が近くに居ないにも関わらず、右腕を突き出した。
以前、まだ天羅
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