第二章
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のね」
「うん。僕もそう思うし」
こうも告げる。
「だったら両方共二人で摘もう。それでいいよね」
「有り難う」
翔一の言葉にお礼を言った。その言葉と心遣いが嬉しかったからだ。
「それじゃあ。二人でね」
「それでさ、久美子ちゃん」
翔一は今から摘むという時になってまた久美子に声をかけてきた。久美子も彼の言葉に顔を向ける。
「何?」
「摘んだお花だけれどね」
「ええ」
「一つずつ胸に飾らない?」
彼女に提案してきたのだった。
「一つずつ。どうかな」
「赤いお花と白いお花を一つずつ?」
「だって。どっちも奇麗だから」
またこのことを言う。
「だったらさ。どっちも飾ったらどうかなって思って」
「どっちも。胸に」
「絶対にいいと思うよ」
微笑んで久美子に提案してきていた。その顔は晴れやかでとても澄んだものだった。少年の純粋さに満ちた笑みであった。
「似合うから。どう?」
「そうね。じゃあ」
早速その赤いお花と白いお花を摘んでみた。まずは一つずつ。そしてその摘んだお花を自分の左胸に飾ってみて翔一に見せるのだった。
「どうかしら」
「うん、凄くいいよ」
その笑顔で久美子に告げる。
「奇麗。赤いお花はお日様みたいで」
「白いお花は?」
「お月様みたいで。何か久美子ちゃんの胸にお日様とお月様があるみたいだよ」
「お日様とお月様が私の胸に」
「うん、本当に奇麗だよ」
また久美子に言う。
「凄くね。似合ってるよ」
「有り難う」
今の翔一の言葉にまた笑顔になる。
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