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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二話
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だ、ステータスの方に六門神が引っ張られてしまうので、扱いには気を付けてください」

 ハクナからそれを受け取ったコハクは、長大な槍を一振りする。槍は不思議な重力でコハクの手に納まっている。まるで、コハクに使役されているのは一時だけだと言わんばかりに。本質からその手に納まるのは拒否しているように。

「さ、行きましょう」
「はい」

 コハクとハクナは、足をそろえて歩き始めた。


 目指すのは、世界の中心、《白亜宮》。


 ***


 コハクたち一行が六門世界こと《ジ・アリス・レプリカ》にダイブすることになったのは、あの謎の《宣言》から一週間ほど後だった。チェックに次ぐチェック、様々なアバターの強化を経て、いよいよ今日、初ダイブである。

 ダイブの直前に栗原小波は言った。

「良いかい、気を付けるんだ。《白亜宮》の中はそう簡単に通れない。今は全世界に《レギオン》が出回っているからそこそこ警備は薄いけど、だれもいないわけじゃない。唯一の救いは、《六王神》がいない事か……」

 そう、現在《六王神》はVRワールド侵攻に出ており、六門世界にいない。それは同時に、全世界のVRワールドが、圧倒的な破壊力を持つという彼らによる蹂躙の危機にさらされているという事なので、一概に喜ぶべきことともいえないのであるが。

「とにかく、無茶はしちゃダメだよ。何かあったら必ず退避する事。こっちも全力でサポートするからね」

 そんな力強い声援をもらって、一行は六門世界にダイブしたのだった。前回の敗北によるダメージなのか、一つのダイブポイントからダイブできる人間は最大で二人になっていた。小波はダイブポイントを新設し、コハクたちを二人一組に分けた。

 コハクは、ハクナと一緒に行動することになった。ハクガ・カズが一組に、ハザード・リーリュウが一組に、そして《師匠クラス》と呼ばれる、コクトとラーヴェイが一組に、シャノンと刹那の兄妹は二人で行動することになった。シャノンと刹那のコンビだけ六門世界になじんだ存在がいないが、そこは「刹那がどうにかできる」らしく、とくに問題は無いようだった。

 
「可能な限り最短ルートを進みましょう。とりあえず今いるのは、小波さんが新設したダイブポイントのうち、東側にあるポイントです。次の街は光属性の六門神がそこそこ多くいる街だったはずですので、そこにいる魔術師の方にすこしコハクさんの強化をお願いしましょう。NPCの方ですけど、《師匠クラス》と親交があるみたいで、私も……正確には兄様もなんどかあったことがあります」

 兄様、というのはハクガのことだ。一か月前まで、ハクナとハクガはいわば二重人格の様な存在だったらしい。もともとは双子の兄弟だったらしいが、何らかの事情でハクガの意識がハクナに移
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