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徒然なるバカに
チートキャラって本当どうやったら倒せるのか。
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「あんな化け物と対1で戦ってみろ。希望も野望もあったもんじゃない」

「現に優太くん、ヒナちゃんから逃げ切ったのなんて最初の何回かだもんね」

過去のことを振り返り、笑みを交えて話す。

彼曰く、逃げ切ってこその勝利、だそうだ。問題を起こしといて勝利もへったくれもありはしないのだが。それが彼の美学なんだろう。

「だから教師たちには少しでも頑張ってほしいわけよ」

あんな化け物より普通の教師たちの方が遥かに勝率が高いしな。と言葉を続ける彼。それには関しては否定しない。

もちろん教師、一般生徒からしたら大の大人たちだ、真っ向勝負で分が悪いのは生徒のほうにあるのは一目瞭然。だがしかし、普通の教師と問題を起こすためだけに学校に来ている生徒なら、どうだろうか。それはなんとも言えない。時と場合にもよるだろう。だからこそ高橋優人が有利なのだ。自分の好きな場所、タイミングで問題を起こされ、すぐさま雲隠れされてしまっては溜まったものではないのだ。教師たちと言えど普通の人間、超人的な肉体、頭脳を持ち合わせていないと不利だ。だからこそ彼は教師たちにわざわざ出向いて欲しいのだろう。

彼が入学してから怒涛の1ヶ月が流れた。白皇学院であちこちで起こるトラブル。その8割が、彼、高橋優人が起こしたものだからだ。問題を起こしては周りを煽り、自分という人間の存在を周りには知らしめ、逃げ切る。そのようなことをやっていたのですぐさま彼のことは学院内ほぼ全域に広がった。教師との壮絶な鬼ごっこをしては余裕綽々で、最後は逃げ切る彼を周りは囃し立てた。入学して1ヶ月あまりで、彼はすでに英雄気取りだった。

だが、学校とは本来勉学に勤しむ場。教師たち以外に彼のことを快く思っていない生徒が少数でもいたのは事実だ。そして、そのひとり、白皇学院生徒会の頂点に君臨し、生徒の頂点にも君臨する生徒、桂雛菊は快く思っていない生徒のひとりだった。彼の行き過ぎた行動、言動には彼女からしたら目に余るものがあるとのこと。たまたまクラスも同じ、ということで幾度と注意をしていたが、彼はあの性格の持ち主、そんな注意などには聞く耳を持つわけもない。

そんな彼と彼女がぶつかるのは時間の問題だった。彼の問題の後始末は教師たちに変わり、彼女がすることに。

後に彼はこう、彼女のことを語る。


ーーあれはずっこいって。チートの域だろ、あんなの。


最初の方こそはなんなく逃げ切れていた彼だが、それがいけなかった。負けず嫌いの彼女の心に火をつけてしまったのだ。それはというもの彼女は決して彼を捕まえては始末書を書かせている。その数はすぐさま3桁は越えたであろう。


「でも優太くん、あれだよね?始末書はきちんと書くもんね」

あたしは素直に思った疑問を彼にぶつける。彼なら始
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