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徒然なるバカに
チートキャラって本当どうやったら倒せるのか。
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ーートラブルに巻き込まれるのは嫌だ。

と彼はよく言う。

その他にも彼がよく口にする言葉がある。どれをとっても天邪鬼な人がいうような言葉だ。だが、その言葉でさえ、彼が言うと信念に聞こえ、貫き通すだろうと、思えてします。

彼の言葉には他の人とは違う何かがある。それは友達の美希、理紗、それに雛菊ですら気がついている。傍若無人の彼の対応、唯我独尊の彼の行動、歯に着せぬ物言い、どれをとっても人と分かち合えるはずのない自己中心的なはずの彼なのだが、不思議と彼の周りには人が集まる。

雛菊曰く、お山の大将でも気取ってるんじゃないの?とのことだが。大将、という言葉が彼には当てはまらない。人の上に立ち、手本になり、導く、そんな人格者ではないのだ。リーダーシップなんて微塵も存在しないし、ましてや協調性のカケラもない。自分の興味のないことならば1ミリたりとも自分からは行動せず、関わろうとしない。

なのに周りには人が集まる。

なぜか?

それは至って簡単な話なのだ。

なぜなら、彼、高橋優太は、他の人が面倒、と思うことを率先し、やろうとするのだ。本当に根っからの天邪鬼気質なのだろう。周りからしたら願ったり叶ったりのその気質、あたしは疑問に思い、聞いたことがあった。なぜ、そのような面倒ごとばかり引き受けるのか。そして、彼が答えた言葉は至って簡単。


ーーだって、そっちの方がおれを止める奴いないじゃん


空いた口が塞がらないとはこのこと。企画外れの思考の持ち主。彼は自分からする、といったことの全てに対してトラブルを起こす過程として考えているのだろう。

彼がここ、白皇学院で起こしてきたであろう事件、トラブルはすでにかなりの数になっているであろう。数十件、もしくは数百件は起こしいる。些細なものから大掛かりなもの、小規模なことから大掛かりなことまで。ありとあらゆる手段、方法で周りを巻き込んでいる。

周りの教師は呆れ果て、手の施しようがないなく、傍観に回っている。

「にしても、本当に優太くんはびっくりすることばかりするよねぇ」

「そりゃ、するからには全員、全ての生徒の度肝抜かないとな」

と、当たり前のようにいうのだからすごい。

「でも、最近じゃ教師たちがなんもしてこねぇからつまんねえんだよなー」

「いや、そりゃ年がら年中監視、なんて真似できないしねぇ……」

「別に年がら年中監視なんてしなくていいんだよ。てか、年がら年中監視なんかされたら溜まったもんじゃねえわ」

嫌そうな顔をして言う彼。

「先生たちに止めて欲しいの?」

「そんなわけねえだろ。でも教師たちが少しでも止めに入らないとおれの起こした問題は全て桂に処される。それが気に食わない」

「あぁ〜!なるほど!」

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