第三十一話
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出しても面倒になりかねないので、そこはぼかすことにした。
「俺は、あいつのパートナー兼監視役兼護衛役をするって条件で自由にさせてもらってる」
「監視役兼護衛役って・・・」
「アイツの立場は、結構微妙な感じだからなぁ・・・本来なら、家柄も何にも関係なく、優遇されないといけない立場なのに」
家のごたごたが原因で、光也はに常々監視をつけるようにと土御門家から圧力がかかっていた。
ついでに、光也としても護衛が欲しかったことと、新しいイレギュラーな席組みの近くに一人置いておきたかったので、俺をあてがった、というわけだ。
「とまあ、知り合った経緯はそんな感じだよ。上の方でおきた面倒事を都合のいいガキに押し付けた、ってわけだ」
「ふぅん・・・なんだか大変なのね」
「本来なら、そんな思いはしなくていいはずなんだけどな。少なくともアイツは。・・・よし、これで全部」
今いるクレーンゲームの中身合計十個を、一回百円で千円を使って手に入れた。
次のをどれにしようか悩んでいたらラッちゃんからリクエストが入ったので、言われた物をとる。
「ずいぶん器用ね」
「そうでもない。・・・ちょっとズルしてるしな」
「・・・?あ、まさか・・・」
「あ、念のために言っておくと能力使ってるわけじゃないぞ」
そう言ってから、次のクレーンに移動する。
「じゃあ、何してるのよ?」
「機械のシステムに侵入して、規定値以下のクレーンの力のしかないやつを元に戻してる」
「・・・これ、規定値なんてあるんだ」
「正確には、中にある物をとれるはずもないやつ、だけどな。最低限そこまで上げれば、後は俺の方でどうとでもなる」
そう言いながら、また次の物をとる。
懐かしいなー・・・昔はよくこうしてクレーンの中身を総取りして、
「すいません、お客様・・・」
店長が、申し訳なさそうに出てきたもんだ。
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