僕の生まれた理由
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だけは特別だね」
「そうそう」
ダイザエモンさん達はそう言い合って頷いていた。
「俺達のリーダーだし」
「御主人様も奥様も目をかけられているしね」
「確かに凄いですよね」
僕もそれは実感していた。
「何でも知っておられますし。僕も教えてもらってばかりです」
「御前のことはな、ケムンパスさん凄く気にかけておられるんだぞ」
「えっ、何でですか!?」
それを聞いてかなり驚いた。
「どうして僕のことを」
「何でも御前は昔酷い目に遭ったそうだからな」
「酷い目って」
言われても何のことなのか本当にわからない。
「僕生まれてからそれ程経っていないですけれど。名前だってもらったばっかりですし」
「俺達もそう思うけれどな」
ショウザエモンさんが答えてくれた。
「けれど違うそうなんだ」
「生まれたおうちでも酷いことなんて全然されませんでしたけれど。それにここじゃ」
「旦那様がこんなに可愛がってくれるしな」
「ええ」
「おお、よしよし」
僕達をまんべんなく撫でてくれる。その中で話をしているのだ。
「奥様だって僕達を可愛い可愛いって言ってくれますし」
「奥様も何だかんだ言って猫好きだしな」
「御主人様やお嬢様も」
「この家の人達は皆猫好きだぜ」
「じゃあ何でケムンパスさんはそんなこと言われるんでしょう」
「それは本当にわからないんだよなあ」
ルイさんはお腹を撫でられていた。よく見れば御主人様だった。
「うりゃうりゃ」
足の先でルイさんのお腹を突っつきはじめていた。御主人様もお腹を攻めるのが好きみたいだ。これはお嬢様だけじゃないらしい。
「それでな」
「おいっと」
ルイさんは僕に話をしてくれていたが御主人様に持ち上げられた。そして前足の下を持たれてぶら下げられた。
「ケムンパスさんは御前にそのうちわかるってだけ言ってるんだよな」
「はい」
「まあその通りじゃねえの?ケムンパスさんの言うことに間違いはないよ」
「じゃあ今は気にしなくていいですか」
「僕はそう思うよ」
話はルイさんがぶら下げられたままの状態でも続いていた。御主人様はルイさんを左右にゆっくりと振りはじめた。
「ぶらんぶらん、ぶらんっと」
「・・・・・・御主人様ってこうするのが好きなんだよな」
「どうやらそうみたいですね」
僕もされたことがある。されていないのはケムンパスさんだけのようだ。
「まあとにかくな」
「はい」
「ケムンパスさんの言う通りにしてればいいと思うよ。それで間違いはないから」
「わかりました」
「そういうことだ。僕からはそれだけ」
「はい」
「後はとりあえずダイザエモン達に・・・
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