僕の生まれた理由
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て最初この名前の元を聞いた時嫌になったものよ」
「どんなのだったんですか?」
「あたしとかね、ダイザエモン、ルイはあの絵の箱に出て来る人からとったらしいのよ」
「はあ」
「タマは何となく、ショウザエモンはダイザエモンの弟でそっくりだったからなのよ。どう、酷いでしょ」
「そんなのだったんですか」
「旦那様のセンスにだけは期待しちゃ駄目よ、えらい目に遭うから」
「わかりました」
その日の夕食の時だった。食べ終わると御主人様が僕のところにやって来た。
「御前の名前だけれどな」
来た、と思った。
「僕が名付けることになったから。宜しくな」
それを聞いてえっ、と思った。
「そうだな。名前は」
「お父さんがつけようか?」
「駄目だよ、お父さんの名前は変なのばかりだから」
後ろから旦那様の声がしたがそれを断られた。
「僕がつけるよ」
「そうか」
旦那様はそれを聞いて凄く残念そうだった。
「それでな、御前の名前は」
何だろう。いい名前だったらいいけれど。
「こげんただ。どうかな、それで」
こげんた。その名前を聞いた時何故だかわからないけれど凄く不思議な、温かい気持ちになった。思わず御主人様の顔を見上げた。
「それでいいかな。御前はどう思う?」
僕は応えた。一言ないた。
「そうか、それでいいんだね」
僕の言いたいことがわかってくれたみたいだった。僕はその名前でいいと思った。それを伝えたかったのだ。
「よし、じゃあそれでいこう。御前の名前は今日からこげんただ。いいね」
またないた。すると御主人様は僕を抱きかかえた。そして言った。
「こげんた、あらためて宜しくね」
これで僕の名前は決まった。こげんた。凄くいい名前だと思った。それを聞くだけで何だか凄く優しい気持ちになれる。どうしてなのかはやっぱりわからなかったけれど。
「いい名前もらったよな」
「ホント、それだけは羨ましいよ」
旦那様のベッドに行くとダイザエモンさんとショウザエモンさんがいた。やっかみ混じりで僕に声をかけてきた。
「俺達なんか旦那様に冗談みたいな名前つけられたのによ」
「俺達も御主人様につけてもらいたかったな」
「私は別に今の名前でいいけれどね」
タマさんは自分の名前に不満はないようだった。
「けれどルイはそうじゃないわよね」
「当たり前だよ」
ルイさんはあからさまに嫌そうな顔をした。
「覚えられないような変な名前つけられたからね」
「旦那様のセンスだけはわからないよな」
「そうだよな。ケムンパスさんだってそう思うでしょ」
「そうね」
ケムンパスさんもいた。それに頷いてみせた。
「あたしも最初この名前
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