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僕の生まれた理由
僕の生まれた理由
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親でもあるんだ」
「名前をつけてくれたんですか」
「そうさ。あまりセンスがいい名前じゃないけれどね」
「それは言えてるね」
 ショウザエモンさんがそれに頷いた。
「何でこんな名前つけたんだろ」
「センス悪いのがタマに傷よね」
「うまいわね、タマ」
「あっ、ホントだ」
 そんな話を聞いていてもまだ不安だった。どういうわけか人間という言葉を聞くと急に怖くなった。
「怖いのかい?」
「あ、はい」
 嘘をつく気はなかった。ケムンパスさんの問いに頷いた。
「だろうね。あれだけの目に遭ったら」
「何か知ってるんですか?僕のこと」
「ちょっとね。あたしは色々と見えるから」
「色々と」
「ケムンパスさんはね、凄いんだよ」
 ダイザエモンさんがまた言った。
「犬にだって勝てるしおうちの留守番もできる」
「それに今までのことやこれからのことだって見えるんだ。本当に凄い猫なんだよ」
「そうなんですか」
「少しだけね」
 ショウザエモンさんの言葉に驚いて尋ねると少し照れ臭そうな顔をして答えてくれた。
「あんたは人間に随分酷くやられたんだね」
「そうなんでしょうか。覚えていないんですけど」
「今はそうだろうね。けれどこの家の人達はそんなことはしないから」
「はあ」
「安心していいよ。あと悪い奴は全部あたしがやっつけてやるから」
「ケムンパスさんなら敵はいないからね」
「安心してていいよ」
「わかりました。それじゃ」
 僕達はそのままこたつの側で丸くなった。そしてそのまま寝てしまった。起きるともう朝だった。おうちの人達は慌しく出掛けてしまった。僕達は朝御飯を食べ終えるとおうちの中を色々と歩き回った。
「爪を研ぐのはここ」
「はい」
「他でやったら怒られるからね」
「わかりました」
「おトイレはここ」
「はい」
「わかったね」
「わかりました」
 ケムンパスさんに案内される。爪を研ぐ場所もおトイレをする場所もすぐにわかった。ただ気になったのはおトイレの側にある白い大きなものだった。
「あれ何なんですか?」
「あれは人間のトイレだよ」
 ケムンパスさんはそう教えてくれた。
「人間の」
「人間もあたし達と同じようにトイレをするんだ。覚えておくといいよ」
「はい」
「人間とあたし達はね、種族は違うけれどそうした部分では一緒だから。生きていたら皆同じなんだよ」
「生きていたら」
「そうさ。だから変に卑屈になったりすることはないからね」
「はい」
 僕はその時ケムンパスさんの言葉の意味がよくわからなかった。ただ頷くだけだった。これが凄く大事なことだとわかるのはまだ先のことだった。
 僕はそ
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