僕の生まれた理由
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マって言うの。宜しくね」
「はい」
何だか優しい感じの猫だった。ケムンパスさんは怖い感じもするがタマさんにはそんなものはなかった。不思議と落ち着いた雰囲気だった。
「あとは」
「ダイザエモンだよ」
「ダイザエモンさん」
黒と白のブチの猫がいた。けれどそれは大きい猫と小さい猫がいた。そのうちの大きい猫がそう僕に名乗ってくれた。
「それでこっちの小さいのがショウザエモン」
「宜しくな」
「はい」
「で、最後に残っているのが」
ケムンパスさんが紹介してくれた。茶色の毛の猫が最後に残っていた。
「ルイ=アルフォンヌ=シュタインベック三世よ」
「え、ええと・・・・・・」
あんまり長くて覚えていられなかった。戸惑っているとその茶色の猫が言ってくれた。
「ルイでいいから」
「わかりました」
「それであんた。うちの猫はこれで六匹」
「宜しくね」
「はい」
僕はあらためて挨拶をした。
「宜しくお願いします」
こうして僕はこの家の猫になった。挨拶の後は御飯だった。キャットフードだった。
「あれ」
僕はまずそのキャットフードを食べて気が付いた。
「今までのとは違う」
「どう、美味しい?」
「はい」
僕はケムンパスさんにそう答えた。
「何か味が濃くて」
「あんたんとこは多分今までは魚のを食べていたのよ」
「そうだったんですか」
「うちのはね、鶏肉なの。だから味が違うのよ」
「へえ」
「まあ食べているとすぐに慣れるわよ。そのうちこれじゃ嫌になるから」
「そうなんですか」
食べて水を飲んだ後はケムンパスさんを先頭にして六匹で四角くて大きな場所に向かった。何だかふわふわしてあったかかった。
「ここは何なんですか?」
「こたつよ」
「こたつ?」
「あたし達の寝る場所よ。いつもはここで寝るのよ」
「ここでですか」
「そうじゃない場合もあるけれどね。御主人様のお布団とか」
「御主人様って?」
「今日あんたを連れて来た人がいたでしょ。その人があたし達の御主人様よ」
「そうなんですか」
「あと旦那様と奥様。そしてお嬢様もいるわ。これがこのうちの人間なの」
「人間」
それを聞いて何か急に怖くなった。
「大丈夫ですか?何かされませんよね」
「悪いことをしたら怒られるわよ、そりゃ」
「旦那様はそれでも怒らないけれどね」
ダイザエモンさんがここでこう言った。
「旦那様は特別よ。あの人は私達に凄く甘いんだから」
「旦那様は」
タマさんの言葉を聞いて尋ねた。
「誰のことですか?」
「御主人様のお父さんだよ」
ルイさんがそう教えてくれた。
「僕達の名付け
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