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徒然なるバカに
恋は心が下にあるから下心から産まれるんだ、って人間みな下心ばっかじゃぁぉぉい!
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それは生徒の鏡と言えるあたしの友達、桂雛菊の壇上での挨拶のときだ。雛菊の挨拶が終わり、次は生徒が退場する番。ようやく終わるねぇ〜、などと仲の良い美希、理紗とそんな他愛のない話をしている時に起こった。


ーーあー、ああ、うん。これマイク入ってる?入ってるよな、あーあー、うん。


3度目の入学式に痺れを切らした生徒の大半が、出口のほうを向いていた。が、その生徒たち視線を一斉に、すべて、壇上へと戻した生徒があらわれた。


ーーえぇと、初めまして。今年から、高校から白皇学院に通うことになった高橋優人です。以後お見知り置きを。


などと、内容はいたって普通。どこの誰もが初対面、ファーストコンタクトでするような挨拶。が、これほど奇妙に思えることない。

壇上で不可解な行動をする生徒に皆の注目が集まる。


ーーそんな見られると優人くんてれちゃうなぁ。


自業自得、本末転倒。彼の発した言葉にたいして今の彼に当てはめるなら似たような言葉はたくさんあるだろう。


ーーおっふん。えー、この度は白皇学院に入学できたことを心から感謝しております。ですから、この気持ちを忘れず、勉学に勤しみ、常識ある社会人になるべくーー


いたって普通の挨拶だ。

隣にいる美希や理紗もなんだかつまらなそうにしている。それもそのはず、生徒の代表でもなく今年から白皇に通う生徒がなんの変哲もないマニュアル通りの挨拶を始めたのだ。

「なんだあれは」

美希は言う。

「さあ?なんた面白そうなことになったな、と思ったらこのザマだ。期待外れも甚だしい」

続けて理紗も言う。

うーん、あたしもちょっと期待したんだけどなぁ。なーんだ、つまんないや。

周りの教師たちも最初はザワザワと不信感を覚えていたのだが、いかにと普通の挨拶、普通の今後の豊富、などを聞かされくうちに不信感は欠片ほどになっているようだ。


ーー以上、ではありまっせーん。


先ほどとは打って変わってお茶らけた雰囲気を出す壇上の彼。


ーーおいおい、このおれが壇上にまで上がって話をしてやってるのになんだその態度は、あん?


急に豹変した彼はスタンドマイクをガタンと揺らし、こう続ける。


ーーいいか!耳の穴かっぽじってよーく聞きやがれ!おれが嫌いなものは3つ!退屈、ルール、勉強!この3つは糞食らえだ!


教師たちが騒ぎ始めた。


ーーそして好きなものは、高いところ、騒がしいこと、トラブル!この3つだ!


生徒たちもザワザワと、騒ぎ始める。

「騒がしいこととトラブルって然程変わらなくないか?」

「同感だ」

美希と理紗は揚げ足をとってはいるものの内心楽しそう。それはあたしも同じ。

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