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久遠の神話
第百八話 最後の戦いその十二
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「彼等も、特に水の剣士はね」
「戦いたくはない」
「傷つける痛みを知っているからこそ」
 セレネーは上城を見た、その彼を。見ればじっと自分を見上げている。やはり案じている顔で。
「そうなんだよ。他にもそうした剣士がいたね」
「ええ、これまでにも」
「彼等も同じだったんだ、今の君と」
「戦いたくなかった」
「だから水の剣士も願ったんだよ」
 この剣士の戦い自体の終結、それをというのだ。
「だからもう」
「これで」
「終わろう」
 また言う声だった。
「そうしよう、僕のことはいいから」
「そうなのね、もう・・・・・・」
「君の僕への愛はわかったよ、それで満足だよ」
 エンディモンはこうも言った。
「だからこれでね」
「もうこれで」
「さようなら」
 遂にだ、エンディミオンはセレネーにこの言葉を告げた。
「君に愛さて。僕は本当に幸せだったよ」
「エンディミオン・・・・・・」
「だからもうこれで。さようなら」
 最後にこう言ってだった、そうして。
 エンディミオンはその気配を消した、後には何も残っていなかった。
 セレネーは一人になった、そして一人になったところで。
 聡美達に顔を戻してだ、俯いて言った。
「水の剣士の願いを聞き入れます」
「では」
「終わりました」 
 今完全に、とだ。セレネーは自ら言った。
「もうこれで」
「そうですか」
「はい、長い戦いでしたが」
 これで、というのだ。
「もう終わりました、そして私も」
「お姉様は」
「もう。エンディミオンもいないから」
 月、自身が司るそれを見上げての言葉だった。そちらに顔を向けて。
「何をしても」
「そうですか」
「暫くの間は」
 聡美を見てだ、こう言うのだった。
「月、狩猟のことを貴女に預けて」
「そうしてですか」
「姿を消すわ」
 そうするというのだ。
「何時までそうするかわからないけれど」
「そうされますか」
「ええ、その間色々と考えたいから」
「わかりました、では」
「私は罪を犯してしまっていたのね」
 こうもだ、セレネーは言った。
「剣士達を戦わせて」
「はい」
 このことについてはだ、智子が答えた。普段は凛としている智子も今は俯き沈痛な面持ちである。その顔でセレネーに言うのだった。
「確かに。そのことは」
「彼等は罪を犯したけれど」
「それはあくまでその生だけのことだったのね」
「転生をすれば罪は消えていたわね」
「そうでした、私達も申し上げるのが遅れました」
「いえ、本当は気付いていたわ」
 ここでだ、こう言ったセレネーだった。
「それでも私はあくまで。エンディミオンと共にいたいが為に」
「彼等を戦わせたと」
「そう、そうしたことは罪ね」
 このことをだ、セレ
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