第八十話 本番その三
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「誰だって嬉しいし」
「そうでしょ、じゃあね」
「お互い完走目指そうね」
「うん、そうしよう」
言の葉強い声になっていた、そしてだった。
まずは服を着替えた、そのセーラー服に。クラスメイト達はその海軍の水兵の服を見てこう琴乃に言った。
「ああ、仮装するのね」
「それで走るのね」
「そうなの、部活の娘達と話して」
プラネッツのメンバーでだ。
「それで決まったのよ」
「セーラー服で走るのね」
「海自さんの服で」
「うん、色々話して」
このことも話すのだった。
「こうしようって」
「水兵さんね」
「それで完走目指すのね」
「そう、そうするから」
こう言うのだった。
「この服なら動きやすいし」
「じゃあそれで頑張ってね」
「水兵さんの服で」
「そうするわね」
見ればクラスには琴乃以外にも何人か仮装していた。このことは運動会の仮装リレーや文化祭の出しものと一緒だ。
しかし今回は全員動きやすい服だ、琴乃はこのことも見て言った。
「やっぱり動きやすい服じゃないとね」
「余計に疲れるからね」
「服の重さとか動きにくさでね」
「そうよね、私達だって」
プラネッツにしてもと言う琴乃だった。
「仮装しても動きやすい服ってことになって」
「水兵さんね」
「その服になったのね」
「軍服でも。ベルサイユの薔薇とか」
ここでもこの名作の名前を出すのだった。
「動きにくそうだから」
「あれ実際動きにくそうよね」
「オスカルはね」
「格好いいけれどね」
「それでもね」
「まああの服描きにくそうだし」
装飾が多いせいだ、このことは同じ時代のドレスも一緒だ。
「着ないってことになったの」
「それ正解だと思うわ」
「私もね」
「オスカルは確かにいいけれど」
「動きにくいことは間違いないから」
「だそれでこの水兵さんなのよ」
琴乃は敬礼の仕草もしてみせた。
「これね」
「あっ、敬礼も海軍さんね」
「そっちね」
「うん、江田島で見てて覚えてたから」
肘を折り畳んだ敬礼である、海軍は艦内で敬礼するのでこうした狭い場所でも行える敬礼をするのである。
「この敬礼ね」
「普通の敬礼じゃないのよね、海軍さんって」
「警察官の人がするみたいな」
「何でもあっちは陸軍さんの敬礼で」
「海軍さんはそれみたいね」
「あと海上保安庁の人もね」
彼等も、とだ。琴乃は話した。
「こっちの敬礼なのよ」
「あの人達も船に乗るから」
「それでなのね」
「そう、じゃあ今から」
「ええ、一年生の番になったら」
「出発ね」
こう話してだった、全員でだ。
まずはクラスに留まって英気を養った、そして。
その後でだ、時間になって。
スタートラインに向かう、クラスを出てグ
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