第一章
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戯好きな妖怪だということは民話によくある通りである。それはもうかなり知られていることなのだ。
「池の中に引き込んだりな」
「そんなことがあるの」
「あるんだよ、これが」
父ははっきりと告げた。
「御前泳げないだろ」
「うん」
邑子の答える声のトーンが低くなった。実は彼女はカナヅチであるのだ。
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