2話:Ψ強超能力者の方針
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僕の名は斉木楠雄。超能力者だ。
記憶が確かならば僕は修学旅行の最中だったはずだ。照橋さんに取られた制御装置を取り戻した直後で、これから瞬間移動で自宅に帰って寝ようと思っていたのだが、いつの間にやら殺し合いとやらに巻き込まれた。なんという笑えない冗談だ。もはや災難どころではない。
そして転送先が何故か僕がよく通っている喫茶店、純喫茶魔美。
ちなみにデイパックを確認したところ、食料と飲料水、懐中電灯に地図、方位磁針、時計。参加者名簿。そのほかにあの女が言っていたランダム支給品とやらが三つ入っていた。
「ゆっくりしていってね!!」
その一つがこれだ。
ついさっきはじめて見た際にも言っていた台詞を言っている。これで三回目だ。ちなみに他の支給品は曲絃糸とかいう人体切断余裕な糸。海藤が好きそうだ。あと閃光弾が二個。
「いい加減何か言ってください」
ちなみにコイツの容姿は一言で言えば、大きな赤いリボンをつけた少女の生首。
「饅頭です」
本人(どう見ても人ではないが)は生首と言われるのは嫌な様だが、僕はコイツが饅頭だとは思えない。そもそも食べ物ですらないだろ。いやその前になんでこんなのが支給品になっているんだ?
「そんなのわからないよ。私だって、実況の仕事だって言われたから来たんだし」
その棒読み口調はどうにかならんのか?
「実況が仕事なもので」
実況は棒読みでするものじゃないぞ。
「私達のアイデンティティを否定しないで下さい」
僕は一般常識を言っただけだ。超能力者が一般常識を説くなんておかしな話だが。
ん?私達?
「魔理沙やチルノやきめぇ丸とか。他のゆっくり達の事だよ。ニコ動とかで一緒に実況した、仲間達だよ」
棒読みは相変わらずだったが、表情からは悲しみのような感情を読み取れた。
「できれば、早く帰りたい・・・」
・・・そうか。
僕はこのやり取りで気付いたことがある。
まず、この自称実況饅頭はちゃんとした感情がある。機械的な棒読み声だが、思考能力を有する生物であることには変わりないようだ。
そしてもう一つ。テレパシーが使えなくなっていることだ。
このゆっくり霊夢(同封されていた説明書に書いてあった)とやらに思考や感情があるのは今のやり取りで判断できる。しかし、僕には常時発動しているテレパシーがあるにもかかわらず、このゆっくり霊夢の心を読むことが出来ないのだ。観察するにゆっくり霊夢は燃堂のような何も考えていないアホではない。となると、おかしいのは僕の方、ということになる。
一回、制御装置を外してみるか。
僕は頭についている制御装置に手をかけた。だが、外れない。どんなに強く引っ張っても外れない。
反対側についているマインドコントロールの制御装置も同様だ。
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