第十四話 幻の力その七
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「さて、六人になったけれど」
「本当に何もわかってねえ状況だな」
薊は首を少し傾げさせてその智和に応えた。
「謎は」
「うん、困ったことにね」
「手掛かりもねえな」
「こうした時にどうするか」
「何か考えがあるかい?先輩に」
「そうだね、ここはね」
腕を組みだ、智和は薊に言った。
「もうすぐ怪人の灰があったよね」
「ああ、調べられてるあれな」
「そろそろわかる頃だね」
それでだというのだ。
「その結果が出たらね」
「それ次第でかよ」
「そう、進展があるかもね」
「DNAとかそういうのがわかるんだよな」
「そう、生物学的なね」
まさにそれが、というのだ。
「わかるからね」
「そこからだな」
「何かがわかるよ」
「あの連中何なんだろうな」
「そのことが、生物学的にもね」
わかると、というのだ。
「そこから動くかも知れないよ」
「そうなればいいな」
「うん、何はともあれね」
「そこからか」
「第一歩になるかも知れないよ」
あらゆる謎のそれが、というのだ。
「怪人達が何処から来るかもわかっていないけれど」
「それも謎だよな」
「そうしたこともね」
「まずは怪人の灰を調べた結果がわかってか」
「そう、そこから動くかもね」
そうかも知れないというのだ。
「いきなりではないにしても」
「そうあって欲しいな、とにかく何もかもわかってねえからな」
薊は智和にこう返した。
「少しでも何かわかれば有り難いよ」
「そうよね、私もそう思うわ」
裕香も薊にこう返す。
「何もわかっていないのはね」
「ああ、もどかしいぜ」
「ええ、本当にね」
「まあ謎ばかり考えてもな」
それでもだとだ、ここで話題を変えた薊だった。今このことについてばかり考えて話をしても何もならないと思ったからだ。
それでだ、今度の話題はというと。
「仕方ないさ、それでだけれどな」
「それで?」
「ああ、菫ちゃんの薙刀だけれどな」
彼女がしているこのことについてだった。
「やっぱり強いな」
「私薙刀での実戦はじめて見たけれど」
それでもだとだ、裕香も応える。
「凄く強いわね」
「そうだろ、リーチがあるだけじゃなくてな」
「動きがね」
「独特でな」
「凄い強さよね」
「何かそう言われると」
菫は二人の話を聞いて困った笑顔になってこう言った。
「恥ずかしいけれど」
「あっ、そうか。じゃあな」
「これで止めるわね」
「そうしてね、それにね」
「それに?」
「それにっていうと」
「うん、薙刀は凄く難しいのよ」
実際に薙刀を使っている人間としての言葉である。菫は真顔で薙刀のことを二人に話すのだった。
「使い方がね」
「振ったり突くだけじゃないのね」
「確かに
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