第一話 フラグ建造士 アリス☆提督
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劈く(つんざ)ような大きな火薬の音が響き、私達は耳を塞いだ。
見ると、相手の主砲が砲弾を発射をしたみたいだった。
「ひいいいいいい! 撃った! 撃ってきた!」
「ままままだ、かかか、換装準備出来てませんよおおおおお!!?」
私達は恐ろしさのあまり、目を閉じ、ガタガタ震えながら耳を塞ぐ。
あぁ、着任してまだ数時間しか経っていないのにもう戦死してしまうのか……
私はそう思い、半ば諦めた。
……
…………
………………
あれ?
相手は主砲を撃ったはずなのに、いつまで経っても着弾しない?
もう黒焦げになってもいいはずなのに?
私は恐る恐る目を開ける。
すると、艦隊達は何故か一戦も交えようとはせずに帰っていった。おや、もしかして私達がまだ着任したばかりだと気づいた?
「よ、良かったぁ〜」
そう思うと、一気に緊張が解けて安心し、バタッと大の字で甲板の上に倒れる。
あぁ…… 空が眩しい……!
「……」
「あれ、ユウキ? どしたの?」
ユウキは無表情で何か包みみたいなものと、それと、手紙を私に渡す。
彼女曰く、主砲からこれが届いたそうな。
なんて人騒がせな宅配なの……!
「戦いじゃなくて良かったのです……」
「そうよね、いやー、恐かったぁ。ともかく手紙が届いてるから読んでみるね」
「はいなのです!」
私は笑顔で白いお手紙を広げる。
手紙には、汚い文字でこんな事が書かれていた。
「拝啓。今日タウイタウイ泊地へ着任した提督殿へ、先輩からとってもありがたいお届け物でございやがります。洗礼として喰らいやがってください。テメーラまとめてBOOOOM(ブーン)だぜ!!」
読了し終わった私は、全く意味が分からず、頭にクエスチョンマークを浮かべる。
電ちゃんも私と同じく首を傾げていた。
えっと…… つまり、どういう事?
まあ、取り敢えず包を開ければ分かるのだし、早速開けてみよう。
私は白い布で覆われていた包を微笑みながら開いていく。
そして、包まれていたものがその姿を現した時、私は微笑みながら固まった。
カチカチカチカチっという、音と共に、シューっという、導火線に火が付いたような音。
時計じかけのダイナマイトでした。
ドカン!!
その後、私達三人は治療をする為に担架で運ばれて入渠したのだった。
初めて入渠した換装(感想)? 最悪だよ……
まさか、あの時見学していた時に吐いた台詞がフラグだったなんて…… ガクリ……
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