第5章 契約
第93話 高貴なる魔術師
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く冷たい白を瞳に映す俺。吹雪くと言うほどの激しさはなく、しかし、ちらつくと言うには少々風情に欠けた様。
まぁ、何にしても……。
「今回も無事終了、と言う感じですか」
得た物は無かったけど、致命的な何かを失った訳でもない。相変わらずギリギリだったけど、それでもテスカトリポカ召喚などと言う迷惑千万な企みは防ぐ事が出来た。
確かに大量使用して、そのすべてを倒されて仕舞った剪紙鬼兵の返やりの風の作用によってアチコチに受けた傷から流れ出た血により、俺の見た目はかなり凄惨な物に成って居るとも思います。しかし、それもタバサから受けた血の作用で今まで以上の回復力を得た事により、傷自体は既に塞がって居る状態。
万能と言うには程遠い存在の俺にしては、上出来だと誉めてやっても良いでしょう。
それに……。
戦闘時にはそれほど感じなかったけど、大地の上を滑り、返やりの風で開いた傷口から吹き出した血液などで俺の服はボロボロ。傷に関しては既に塞がっているけど、汚れた服に関してはそう言う訳にも行かず。
流石に、肌に貼り付いたようになって居て非常に不快。早いトコロ、当座の拠点。ルルド村に帰って、着替えだけでもしたい。
後は、この憎悪と恐怖に染まった召喚の地を、元の清浄な泉に戻すだけ。流石に、多くの死に穢された泉を一足飛びに戻す事は出来なくても、この危険な気が蟠った状態さえなくせば、後はゆっくりと自然な状態へと戻して行けば良いのですから。
そう考え、氷空の彼方から降りしきる白から、再び蒼の少女へと視線を戻す俺。
その瞬間。
「オルレアン大公家当主シャルロット様」
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