暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
終わりゆく陽だまりの日常
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わざわざ助言してるんだ?
というよりこんなに丁寧に野菜を選別してる俺ら二人はなんだ、主夫か?
二人同時に会計を済ませ、次の目的地へ。
「よし、野菜はこんなもんかな。黎慈、トマト買いすぎじゃないか?」
「うっせ。俺至高の食材なんだよ」
「トマトメインの料理が得意ってことか? そう考えれば、トマトを使った料理ってあんまり思いつかないな」
「アレンジや具の一つとしてならともかく、メインに使った料理はあんまり馴染みないだろうな」
さっきまでの物騒な会話はさて置き、料理の話になる。
家事を全てこなしている士郎の料理の腕は色んな方面からお墨付きだ。
藤村先生を始め、一成や今は亡きあの美食家の慎二までもが裏では認めていた代物である。
件の桜も料理を学ぶ為に衛宮家に出入りしているとも言われるほど。
「厚切りにして焼くだけで色々出来るぞ。チーズ焼きにしたりソテーにして他の食材の土台にしたりな」
「へえ。そういえばトマトおでんとかTVで見たなぁ」
「あれもいいな。酸味も消せるし、皮を剥けば子供でも食べやすい」
「そう考えると結構あるな。トマトはサラダくらいでしか使う事なかったけど」
「オレの母親がロシア料理でよくトマト使ってたからなんだけどな」
トマトへの思い入れはそれゆえだ。
ボルシチとかビーフストロガノフは勿論の事、ピロシキやペリメニの具材にもトマトが使われていて食卓はいつも真っ赤だった。
おぼろげに覚えているのはそれくらいで、後は記憶にある味を再現しようと奮闘した結果、料理が出来るようになっただけ。
「俺は藤ねえのリクエストに応えてるうちに自然とレパートリーが増えた感じかな」
「休日の部活顧問してる先生に、わざわざ弁当届けに来るのにはほとほと感心するぜ」
あれはもう恋人とか妻の仕事だ。
まだまだ若い藤村先生に、そういった恋愛話ネタがない原因の一端が垣間見える。
そらあんだけ可愛がってる男の子が居れば男は寄りづらいし、家事の出来ない女性という評価を下されちゃったりもするだろう。
そうこうしているうちに、次の目的地へ到着。
ああ、ここからは戦場だ。
「はい、これより合挽き肉ワンパック200gが88円!!! 御一人様一つまで! 一つまでです!!」
店員の掛け声と共にスタンバイしていた数十人の客が一斉に乱れ舞う。
合挽き肉のパックは30、客の数は凡そ倍だ。
競争率は単純に考えても2倍、複数人で来ていることも想定して3倍弱か。
「士郎、行くぞ!」
「俺は今日の献立に合挽き肉必要ないんだぞ!」
「つべこべ言うな、いくつか貸しがあるだろ! それを返すと思って全力で挑め!」
「くそ、
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