第3章
月光校庭のエクスカリバー
第71話 血の悪魔の子供達
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るが、槍しか扱ってこなかったからなのか、剣の扱いがなってないのに加え、安易にやったことの無い二刀流にしたせいで容易に聖剣を弾き飛ばす事ができた。
「ッ!?クソがッ!!」
今まで余裕の態度を崩さなかった彼が初めて歪んだ表情を見せた。
その表情からは焦りが容易に読み取れた。
「オラァァッ!!!!」
彼は力任せに槍を振るってくるが、私は両手の刀で受け止め、そのまま彼の力を利用して後ろに飛ぶ。
「………」
そこへすかさず、ライ君が殴り掛かる。
「コノォッ!!」
彼はライ君に向けて槍の一突きを放つ。
「フゥッ!!」
ライ君は構わず、槍に向けて拳を突き出す。
「シシ、バ〜カ!」
彼はライ君の行動に嘲笑し、槍を突き出す。
ガキィン!
「ッ!?」
が、すぐに驚愕に表情を染める。
槍の切っ先がライ君の拳によって折られたからだ。
その事実に彼は今までに無いほど狼狽しだす。
「どうなってんだよ!?なんで俺の十字具(クロス)がッ!?」
生身の拳で槍の切っ先を折られたのがよほど信じられないと言う様子であった。
「ハァッ!!」
メキャ!
「グハァッ!?」
狼狽している彼をライ君は容赦無く回し蹴りで嫌な音を鳴らしながら吹き飛ばす。
「……ガ…ガァ……ガッ……ガァッ!?……」
顔を押さえながら苦悶の声を出しながら立ち上がる。
「………テメェ……なにしやがったッ!?……」
前髪で隠れているが、おそらく怒りで滲んだ目で私達を睨んでいる。
彼が顔から手を寄せる事で彼の顔が露になる。
鼻から血を大量に流し、鼻が原型を留めていなかった。
さっきのライ君の蹴りで鼻の骨が折れたのだろう。
「フン、ずいぶんな面構えになったな」
「ッッッ!!!!」
ライ君の挑発を聞き、彼はさらに顔を怒りで歪ませる。
「テメェは一体何なんだッ!!」
「ただの十字具(クロス)使いの人間だ」
ライ君がそう言うと同時にライ君の右腕と右足が光り、戦闘服が弾け、皮膚が弾け飛ぶ様に剥がれ落ちる。
そしてライ君の右腕と右足は白銀の物となっていた。
「なッ!?なんだそりゃッ!?」
「……十字義肢(クロス・リム)、モデル・アーム、モデル・レッグ。要は十字具(クロス)の義肢だ」
「十字具(クロス)の義肢だと!?んなもん聞いた事ねえぞ!?」
「それはそうよ。君がはぐれになって間もない頃に作られた物だから」
十字義肢(クロス・リム)、文字通り十字具(クロス)の素になった十字架で作られた義肢。
ライ君はとある事件で右腕と右足を失い、本来なら教会の戦士(エクソシスト)として活動できない状態になってしまったのだけれど、これを装着する事で復帰する事ができた。
しかも十字義肢(クロス・リム)は通常の十字具(クロス)とは違い、強度が高い。
だからこそライ君の拳が彼の槍を
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