第3章
月光校庭のエクスカリバー
第71話 血の悪魔の子供達
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ね」
私は思考を切り替え、刀を構える。
「シシシ♪話し合いは終了か?なら…」
彼は槍を数回回転させて構える。
「いっちょ、バケモノ退治としゃれこむか♪」
『……………』
彼が発したとある単語を聞き、私とライ君は俯いてしまう。
「バケモノめ!!」
「寄るなバケモノ!」
「あっち行けバケモノ!」
……バケモノ…。
まだ幼い私やライ君、沢山の血の悪魔の子供達(ブラッド・チルドレン)と呼ばれた子供達がおそらく一番多く聞いたであろう単語…。
正直、私にとってはトラウマにすらなっている単語であった。
「ん、何だ?バケモノって言われたのショックだったのか?そりゃあ悪いな♪シシシ♪」
まったく詫びれている様子は微塵も感じられなかった。
「……久々に聞いてイラッとしたたけだ。それに…」
ライ君の真紅の瞳から彼に対し、鋭い眼光が放たれる。
「これから死ぬお前にどれだけ俺達に対する罵詈雑言を述べようがもう気にもしねえし、詫びも要らねえよ」
「そうかよ、シシシ♪」
彼はライ君の言葉を聞いて愉快そうに笑う。
ライ君はなんともない様に振る舞っているが、私は幼い頃のトラウマで畏縮してしまっていた。
「……ユウナ。確かにどいつもこいつも俺達の事をバケモノと罵る連中ばかりだ。だが、そうじゃねえ奴もいたはずだ…」
「……ライ君。うん、そうだね」
そんな人達ばかりじゃなかった。
私達を育ててくれた教会の人達がそれだった。
「ありがとう、ライ君」
「ふん」
私とライ君はクロト・シャルガに向き直る。
「行くぞ、ユウ!」
「あ」
「ん?なんだ?」
「久しぶりにそう呼んでくれたね」
「どう呼ぼうが俺の勝手だ」
「ふふ」
「フッ」
私達はお互いに微笑み合い、それぞれの得物を構える。
「あ〜あ、な〜に青春的な事をやってんだか」
そう言い、彼も槍を構える。
先に動いたのはライ君だった。
ライ君は銃を乱射しながら彼に接近する。
私もライ君の後ろについて行く。
「シシ♪」
彼は不敵に笑いながらライ君の銃弾を槍で弾き、聖剣の力を使い姿を消した。
けど…。
「同じ手が二度も通用するか!ユウ!」
「うん!ハァッ!!」
私はもう一本刀を取り出し、血の悪魔の子供達(ブラッド・チルドレン)としての体質(私達は血の力(ブラッド・アビリティ)と呼んでいる)による筋力を最大にして刀で地面を巻き上げ、広範囲に土煙を発生させる。
「そこか!」
ライ君は土煙が不自然に揺らいでいる場所目掛けて銃を乱射する。
「チッ!」
案の定、そこに彼はいた。
銃弾は、おそらく透明になった槍で弾き落とされたが、彼の居場所を特定できれば十分であった。
私はその場から跳び上がり、二刀流で斬り掛かる。
「このッ!」
彼も姿を現して手持ちの槍と聖剣で対抗す
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