1話:超高校級の幸運の超高校級の不運
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深夜。真っ暗な時間帯。
苗木誠が転送された先は周りに木以外何も見当たらない、何もない場所だった。
周りには身を隠すような建物が無いので苗木は近くにある適度に大きい木の陰に座って、辺りを警戒しながらデイパックのファスナーを開く。一番上にあったのは折りたたんだ紙だった。
苗木はその紙をそっと手にとり、なるべく音を立てないように慎重に開く。
紙のサイズはB5ぐらいで、書いてあるのは人の名前のようだ。
上から順番に読んでいく。知らない人の名前もあったし、戯言遣いやスパイダーマッなど、もはや名前なのかどうかすら怪しい単語も見つけた。
「あ・・・」
その中に、知っている名前をいくつか見つけた。
超高校級のアイドル、舞園さやか。
超高校級の???、霧切響子。
超高校級の格闘家、大神さくら。
超高校級の御曹司、十神白夜。
超高校級の文学少女、腐川冬子。
五人とも、苗木とともにモノクマによってコロシアイ学園生活なるものに参加させられていた。だからこんな学園生活の形を取らない、殺し合いに参加させられるのも、納得はいく気がした。
もちろん、こんなものを肯定するわけにはいかない。
この五人が本当に参加させられているなら、合流してこの殺し合いを止めなければならない。
しかし、と苗木は考える。
苗木の記憶する限り、舞園さやかと大神さくらは既に、コロシアイ学園生活中に死んだのではなかったのか。
まあ、今それを疑問に思っても仕方ない。実際に確かめてみればいいだけだ。
苗木はデイパックに紙を仕舞い、肩紐を持って立ち上がった。
その時、わりと近くでギョーンという音がした。
思わず辺りを見回すが人の気配はない。
気のせいか、と思って再び前を向くが、その時苗木は身体に違和感を感じた。
次の瞬間、苗木の背中はドバッ、と音を立てて中身をぶちまけた。
「えっ、あ・・・?」
倒れると同時に薄れ行く意識の中で、苗木誠は自分の死を悟る。
超高校級の幸運、いずれ超高校級の希望となるはずだった少年はここで費えた。
◆
「へえ、なかなか凄いな」
苗木が完全に動かなくなったのを確認した青年、折原臨也の手には黒い、子供の玩具のようなデザインの銃が握られていた。
臨也は苗木よりも早くこの近くの場所に転送され、支給品を確認したのだが、入っていたのは臨也には馴染みのない銃の様な武器。同封されていた説明書によれば名前はXガンといい、対象を内部から爆発させる衝撃波を無限に撃つことが出来て、上トリガーでロックオンすることも出来て、爆発するまでには数秒のタイムラグがあるらしいが、実際見てみないと武器として使えるかどうかは判断出来なかった。
そこに、臨也とは全く関係の無い少年が現れ
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