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SAO─戦士達の物語
GGO編
八十四話 三人目の幼馴染
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「ん?小遣い稼ぎに便乗しようと思ってな……女四人とかカモだし?」
ぶっちゃけると微塵もそんな事は考えて居ないが、まあ、脅すならこんな感じで良いだろう。
これで相手が本気でアウトローな女性なら多分間違い無く睨んで返されるが、高々ちょいとはっちゃけたお姉さん方なら……

「オーライ、んじゃ財布だけ置いてってくれや。ガードありゃ十分だろ」
そう言って、ニヤニヤと笑いながら一歩踏み出す。と、三人の内リーダーを除く二人が一歩下がる。

「ね、ねぇ……コイツ……」
「や、ヤバく無い……?」
まさか自分達がカツアゲやってる所を、別のカツアゲに狙われるとは思っていなかったのだろう。声が強張っている……
そこに更に一歩進む。途端に、三人のカツアゲ女子は一目散に逃げ出した。

「待てコラァ!!」
わざとらしく追い立てるような大声で言うと、案の定彼女等は更に走る速度を上げ、あっという間に路地の向こうへ消えた。

「あーあ、逃げちった……」
涼人はそう呟くとカツカツと最後の独りに歩み寄る。肩を小さく震わせながら立っていた最後の……カツアゲを食らっていた女子高生は、近付いて来る影に気付いたのだろう。フラフラと如何にも危なっかしい足取りで路地の向こうに逃げようとする。だが不意にその足から力が抜け……

「っぶねえ!」
崩れ落ちる寸前に、涼人が肩を支えてなんとか踏みとどまった。

「……っ!」
が、いきなり身体に触れられた事に驚いたのか、彼女は弱々しく、しかししきりに身体を振って涼人の手から逃れようとする。まあさっきまでカツアゲの真似事していたのだ。有る意味当然の反応と言わざるを得ない。

「離し……てっ……!」
「ま、待て待て待て!味方……つか声で分かれ!まだ二年だろうが!?」
「…………?」
言っている言葉に違和感を感じたのだろう。彼女がようやく顔を上げ、涼人の顔を見る。銀色の眼鏡。両方の髪に付けた白いゴムの髪止めと、おとなしげな顔立ち……
ちなみに涼人の方は、「もしかしたら」を既に確信に変えていた。何年も同じ屋根の下で半日を暮らした仲なのだ。横顔見れば大体わかる。

「え……りょ「りょう?どうしたの?」」
彼女が何かを言う寸前で、涼人の後ろから美幸の声が響いた。振り向くと、彼女が此方に駆け寄ってくる。

「よぉ。なんだよ来たのか?」
「声聞いてたらおっきな声したから……え!?どうしたのその子、大丈夫!?」
彼女の位置からでは顔が見えていないのだろう。彼女らしい反応で驚く美幸に、涼人は「まぁ、来いよ」と言って近づかせ、彼女の顔を見せる。
そして二人の眼が有った途端、彼女等は同時に、目を見開く。特に美幸が。

「え……」
「探す手間が省けたな」
「し、
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