第三話 始動の部室
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でバレバレだ。」
おそらく夜空に対して見栄を張りたいだけなのだろう。まあ、そんなところも夜空には可愛く見えてしまうのだが…
「それで?暇なんだろ?」
「はい…暇です…」
正直に小鷹は白状した。いや、ここは素直に言うしかないだろう。
「なら、ついてこい。」
そう言って夜空は歩き出した。
「ち、ちょっと英雄王?どこいくのさ!」
小鷹もそれにつられるように席を立ち歩き出す。夜空は背が高いし、歩幅も長い。それに対して小鷹は背が低いため、どうしても夜空に追いつけないのだ。そのため、周りからは小鷹が夜空につきまとっているように見えてしまう。
つまり、何が言いたいかと言うと、
ーな〜んか、小鷹が女子どもから睨まれてんな〜。
と、勘のいい夜空には分かってしまうのだ。だが、その視線の先にいる小鷹本人は全く気にしてない。
ーいや、それが気にならないほど慣れちまってるってことか…
それを感じると何やらこみ上げてくるものがあったがそれは飲み込む。今そんなこと言っても意味などない。今更昔のことを掘り返しても関係ない。なぜなら、自分がこの少女を過去の忌々しい呪縛から解き放つのだから。
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「で、どうして英雄王はこんなとこに連れて来たのさ…」
他の女子生徒からの鋭い視線をギリギリの綱渡り状態で脱したボクは英雄王に連れられて今は談話室4に来ていた。
「まぁ、ちょっと教師の中にツテがあってな、部活として使えるようにしたんだよ。」
「部活?なんの?」
ボクは問う。
そして、彼は答える。
「教師共に説明したのだと長いから手短にまとめると、友達作りのための部活だ。」
…………唖然である。確かにボクは昨日部活にでも入ればと言いました。けどまさか部活を作るなんて…
「そっか…が、頑張って…」
ボクはそう言って立ち去ろうとしたのだが…
「何言ってんだ?お前も部員だぜ?何の為に連れて来たと思ってんだ?」
「えっと…はい?」
「これからよろしく頼むぜ。小鷹部員?」
英雄王はさっきの人が悪い笑みではなく、昨日の別れ際のようなキレイな笑みを浮かべながら言った。
その笑顔にどきりとしてしまったのは、ボクの一生の秘密になることだろう…
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