1章 超越者の新生児
第2話 サイティスによる魔術講座
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始まりだ、これが始まり。
―――だが、才能が完全に目を覚ますのは、まだまだのようだ……
◆
「よし、今から第一回魔術講座を始める」
「いえーい」
「少々テンションが低くはないか?我が息子よ」
テンション高めで、魔術講座開始を宣言するサイティスとは対照的に、あまり乗り気ではなく、テンションが低いマリク
「そりゃあそうですよ。私はお父様のせいで魔術にいいイメージを抱いてません」
「俺からしたら仕方がないことだから、すまないと謝るしかないのだが……」
すまなそうに謝ってくるサイティス。事実、魔術の研究のことになると毎回ああなってしまうのだ、例外はない。マリクも、こんな真っ正面から謝られたら許さない訳にもいかない
「では、魔術講座を始めようか。マリクは自分自身に流れる魔力は、既に感じとれてはいるよな?」
「はい」
サイティスの雰囲気が変わり、真剣に話始めたので、マリクも真剣に話を聞く
「では、意識を集中させ、掌に魔力を集めてみろ」
「分かりました、お父様。―――こう、ですか?」
マリクは言われた通りに意識を集中させ、自分自身に流れる魔力を掌に球体状にしながら集めた。
「それが魔力、魔術を扱う上での基礎中の基礎だ。繰り返し、繰り返し何度もやれば魔力の扱いも上手くなるだろう。基礎を怠っては上手くなるものも上手くならん」
「成る程、それくらい基礎は大事だと言うことですね」
普段の態度からは想像もできない真面目な態度と話に少々驚きながらも、マリクは、ほうほうと頷きながら忘れぬように頭に刻み込んだ。そんな息子の反応にサイティスは、微笑みながら次の説明に進んでいく。
「分かってくれて何よりだ。さて、次は性質変化についてだ」
「性質変化……ですか?」
「そうだ、聞いて想像できる通り、魔力の性質を変化させて別の性質に変えることだ。この性質変化を行う際に大事なことはイメージ、何に変化させるか確固たるイメージを持つことによって性質変化の“質”が増す。分かったか?」
「イメージ、想像力が必要なのですね。分かりました」
「では、試しにその掌に集めた魔力の球体を火に変化させてみろ」
「火ですね?OKです」
サイティスの分かりやすい説明を聞き、マリクは自分の掌に集めた球体状の魔力が火に変化するのを頭のなかでイメージした。すると、マリクの掌に集められた魔力が火に変化した。
「そうだ、それでいい。マリク、お前は想像力があるのだな。では、今日はここまでにしておくか。初めて魔力の変化や操作を行ったのだ、多少は疲れただろう?」
「まぁ、はい……多少は」
初めてでも魔力を巧く扱えたマリクに
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