飛竜の黒水晶
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ヴルは知らないが―――――“伐折羅の剣”と呼ばれる重そうな剣を、クロスは簡単に持つ。
見た目は姉同様に細いが、実はそれなりに力があるのがクロスだ。
その力の全ては姉の為。これ以上の不幸を寄せ付けない為の、ティアの為だけの力。
「恥を知れ、小娘如きが」
吐き捨てるようにクロスは呟くと、剣を構え地を蹴った。
クロスが本気でキレた同時刻。
「……っ!」
ヒジリを倒し、塔の中を彷徨っていたライアーはブルっと体を震わせた。
己の身を抱き、辺りを見回す。
そして、呟いた。
「どこかで主がキレた気がする……」
魔法弾が飛んだ。
愛銃エウリアレーを構えバンバン銃弾を放つスバルは、大きく息を吸い込み、吐く。
「チクショー…撃っても撃っても増えやがる。妖精戦闘狂のスヴァルも、さすがに飽きるぜコンチクショー!」
「文句言うなスバル!口動かしてるヒマがあったら壊せ!」
「典型的な文句だなオイ!アルカが聞いたら溜息つくぞ!」
軽口を叩くスバルとヒルダ。
背中合わせに立つ2人は、周りのデバイス・アームズを全て破壊していく。
「爆発の蛇!」
「ガジガジガジ……鉄竜の―――――咆哮!」
その2人とは少し離れた場所では、シュランが赤い蛇模様を放った。
模様が巻き付いたデバイス・アームズは爆発音を響かせながら砕けていく。
その近くでは、ガジルが壊れたデバイス・アームズを食べ、その口から咆哮を放つ。
「ウェンディちゃん!」
「うん!」
「灰竜の……」
「天竜の……」
「「咆哮ーーーーーー!」」
ウェンディとココロはタイミングを合わせ、同時に咆哮を放った。
水色の風と灰を巻き込んだ風がデバイス・アームズを一気に壊す。
「あーウザい!減らねーとかマジでウザい!どんだけ撃てばいいんだよコノヤロー!一種の拷問かーっ!?」
「スバルっ!」
「んあ?どーしたヒルダ」
耐え切れず叫んだスバルに、ヒルダが声を掛ける。
首を傾げたスバルに目線を送ると、ヒルダはくいっと顎で塔を示す。
魔法弾を断続的に放ちながら、スバルは目を向け―――――うんざりしたように溜息をついた。
「あれは…」
「敵だろうな」
そう呟くスバルの視線の先には――――――4人。
東雲色のふわふわとしたポニーテールの少女。
夜空色のフラッパーヘアの少女。
淡い黄緑の三つ編みの少女。
そして――――――右目が赤色、左目が金色の黒髪の青年。
「なかなか手強いようだね、妖精の尻尾」
黒髪の青年―――――ジョーカーが呟く。
その声が聞こえたのか、
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