暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
飛竜の黒水晶
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の友《ウィンググロウ・フレンド》の召喚者数を15にして使える祝福の導き手(ブレスィング・スティアー)……グレードは3)

最初に習得した魔法を0とし、次に習得した魔法を1とする。
それがサルディアの言う『グレード』だ。
グレードは高い方が当然強く、バリエーションも豊富。召喚者数だって多い。
が、当然グレードを上げる……つまり、新しい魔法を習得するのには時間がかかり、サルディアもここ2年はずっと祝福の導き手(ブレスィング・スティアー)のままだ。

(グレードじゃ勝てない。召喚者数も相手の方が多い。ありったけの力で押すしかない!)

きっと相手も、自分の方がグレードが上だと気づいている。
というか、気づいていないとおかしい。
召喚魔法を使う魔導士同士が戦う時、まず確認するのは相手のグレードだからだ(因みに確認法は簡単。その魔法が何を経由すれば習得出来るものかを考えるだけ。召喚魔法を使わない人には難しい)。

「お願い、アイゼンフロウ!」
「ルガアアアアアッ!」

低い雄叫びが響く。
そのままアイゼンフロウはフラウへと向かって行き、その鋭い爪を振るった。
それをフラウは軽いステップで避けると、右手に魔法陣を展開させる。

「召喚―――――凶器の投曲芸(デドリウェポン・ジャグリング)

そこから放たれるのは、鋭く尖ったナイフ。
アイゼンフロウは大きな翼を動かし、全てを風圧で跳ね返す。

凶器の投曲芸(デドリウェポン・ジャグリング)に追加召喚!切り札の騎士(トランプナイト)!」

再び、トランプの騎士が呼び出される。
今度はダイヤだけじゃない。
ハートも、スペードも、クラブも…全部が揃っていた。

武器を取れ(テイクウェポン)!」

フラウの声に、それぞれが反応する。
ハートの騎士は両手に短剣を持ち。
スペードの騎士は剣を握りしめ。
クラブの騎士は棍棒を構え。
ダイヤの騎士は槍を手にする。

戦え(ファイト)そして勝利せよ(アンドビクトリー)!」

がしゃり、と音を立てて、それぞれが構える。
その数はトランプの枚数。つまりは52体。
しかもそれぞれが武器を持っている。
サルディアは嫌な予感がした。

「っアイゼンフロウ!避けて!」

叫ぶ。
が、アイゼンフロウは微動だにしない。
動きを止められている訳ではない。
アイゼンフロウが―――――動こうと、していない。

「お願い!避けて!お願いだから!」

必死に足を掴む。
どれだけ叫んでも、アイゼンフロウは動かない。
その赤い瞳が迷い、躊躇うように揺れるのを、サルディアは見た。

「ガルルアアッ!」
「きゃあっ!」

雄叫びと同時に、サルディアは力づくでアイゼンフロウから引き
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