飛竜の黒水晶
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ウアアアアアッ!」
サルディアの声でアイゼンフロウは雄叫びを上げる。
その口に黒い光が集まり始め、光の球体はどんどん大きくなっていく。
「行っ…けえ!」
「ガアアアアアアッ!」
投げつけるようなアクションをすると、アイゼンフロウはその光を咆哮のように放った。
ドガガガガガガッ!と音を立ててトランプの騎士を薙ぎ払い、そのままフラウへと向かって行く。
が、フラウは全く慌てる素振りを見せず、静かに右手を向けた。
「召喚―――――防壁の無言劇師」
魔法陣から飛び出したのは、ピエロのようなメイクをした青年。
その青年は両掌をこちら側に向け、そこに壁があるかのような動きをする。
すると、アイゼンフロウの咆哮は見えない壁に防がれ、結果フラウは無傷だった。
「どうかしら?祝福の導き手。私の三日月曲馬団の団員達は。強い方だと思うのだけれど」
「祝福の導き手って、私の異名じゃないんだけどなぁ。そういう風に言うと異名に聞こえるね」
フラウの言葉にサルディアは肩を竦める。
そもそもサルディアに二つ名はない。
主のクロスだってないのだから、従者であるサルディアが持っている訳がない。
主が二つ名を持って初めて従者は二つ名を持つ事を許されている。
(……でも、あの人は強い)
ごくり、と唾を呑み込む。
ミニの燕尾服調のワンピースを纏うフラウは、防壁の無言劇師を異空間に戻していた。
(あの魔法は獣の使い手から始めて、不思議の国の召喚者と魔なる曲芸師を経由、星空の舞台の召喚者数を20にして使える三日月曲馬団……グレードは4)
サルディアやフラウが扱う召喚魔法には、さまざまな種類がある。
例えば、獣を召喚する事に特化した獣の使い手、摩訶不思議な生物(先ほどのトランプの騎士等)を召喚する不思議の国の召喚者。炎の投曲芸を始めとする曲芸に使う道具を召喚する魔なる曲芸師、その全ての要素を合わせた星空の舞台。
そして星空の舞台の召喚者数が20を超えた時、三日月曲馬団は生まれる。
(対して私は竜の語り部から始めて、天の使いの声を聞く者を経由、|翼生えし者
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